続・にんげんだもの
最近私の周りに気になる方が二人居ります。
一人は男性、一人は女性。どちらも親しくしている80代の方です。
男性は朝の体操の時に何時も私の前でしている方で大柄な良く目立つ方です。
或る朝、気が付いたのですが彼のズボンが濡れています。おそそをしたようです。
本人にそっと教えてあげましたが、知らぬ存ぜぬで拉致があきませんでした。
この格好でジムのロディオやマット、あちこちの椅子に座っていたのですから堪りません。
仕方なく回りの方が保健婦さんに知らせてくれました。
その時は保健婦さんやお掃除の方が見えて、綺麗に除菌や掃除をしてくれました。
彼の方は保健婦さんが保健室に連れて行き、何らかの処置をしてもらったようでした。
ところがズボンの履き替えは持っていませんから、濡れたズボンのまま体操をしておりました。
そして翌日、叉同じ事が起こったのです。再び保健婦さんのお世話になったようです。
その翌日は来ませんでした。
保健婦さんから皆さんにご迷惑が掛かるので来ないように言い聞かせたらしいのです。
それもたった一日、再びやって来ました。
狭い部屋に一日中篭っているのはきっと苦痛なんでしょう。
保健婦さんと言えども、彼を拘束するわけにもいかず、どうしたらよいのでしょう!
幸いこの日からズボンは濡れていませんでした。
毎朝優しい笑顔で挨拶をしてくれますが、つい後姿のズボンに目がいってしまい困ります。
もう一人の女性はとても仲良しの方ですが、最近余り見かけなくなりました。
陶芸、お絵描きと一緒でした。特別な才能を持っている方で尊敬しておりました。
何かが無くなったと何時もサロンで大騒ぎをしているようです。
認知症が大分進んだようです。
傍についている方も何かと声をかけているようです。
私も出来るだけお世話しているのですが、自分の体調もありますし・・・。
朝の体操にもお誘いしているのですが、滅多に出て来てはくれません。
食事時間も違うので、お食事だけはきちんと摂っているのかしら。
にんげんだもの、他人事ではありません。
何時か自分もこうなるのかと思うとゾッとします。
紅