三日間飛び飛びだけど不思議な物体を見ている
それも都庁舎の上に出る
この物体を先日双眼鏡で見てみた
五角形できらきら光っている、しかもゆっくい揺れているのだ
始めてみた日は19日の夜、二度目は22日の早朝、三度目は25日のよる
同じ場所に出てしばらくゆらゆらしているが、だんだん上に上がって消えていく
ユーホーを知ったのは40年以上も前になる
きものの撮影でよく箱根の日本旅館を借りていた
そこの女将さんは昔青山にある呉服店に勤めていて、私はそこで知り合った
その店の社長は大阪から東京に出てきて全国展開を始めたころだった。やりて社長の取材に行ったのが彼女と知り合うきっかけで、何時も結城縮を着ていて垢抜けした人だった。ただモノではないなと思いながらも親しくさせていただいたところ、ヘッドハンチングで老舗旅館の女将に所望されたのだ
旅館でもいつも結城紬を粋に着て接待をしていた
ある日
「ねえ比佐子さんユーホーって知ってる?待ち月の晩に必ず現れるのよ今夜がそうだからお泊りにいらっしゃらない?」
「ほー月見酒ですね」(そのころは酒豪のチャ子ちゃん先生)
月の歳が23夜、夜も更けて月が出てくるその月光が座敷の奥までにも伸びていく
「本来なら男女が寝ずに見る月よね」
と言いながら月ならずユーホーを縁側で待った
待てど暮らせど来ぬ
「今日はどうしたのかしら」
「私がいるからかしら」
そして次の日私はおいとました。またいらっしゃいね。という女将の言葉を最後に喧騒の新宿に戻った
次の朝早く
「母が亡くなりました」
息子さんからの電話に取るものとりあえず箱根へ
「母は昨夜一人でナカタニさんといた縁側で月を待っていたんです。私どもはお先にと言って休んだのです」
朝あまりにも起きてこないので寝室に行ったら息をしていませんでした。という
「夜中に洗濯したらしく、すべてが片付いていました」
「女将さんユーホーに連れていかれたのね」と思わずつぶやいてしまった
ユーホーに女将さんが乗っているのかなあ
あまり見るのをやめよう
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