クローン人間なんて3日もあればできるらしい
ある大学の先生が
「僕は蚕のクローンを作ろうと思って研究を始めたのね、でもあなたが(チャ子ちゃん先生)蚕の気持ち考えたことあるの?と言われて、それからずっと蚕の身になった時どうなのかな?と考えているうちやめようと思った」
「偉い!じゃん」
それでぐっと翻り「桑蚕」の育成に力を注ぐようになったという
もともと蚕は桑の葉を食べる桑から見たら害虫だった、その蚕が作る繭から美しい糸が取れるのを知った知恵者の人間が、家の中に取り込んで、表向きは外敵から蚕を守るという口実で、人間の手で飼育するようになった。それを「家蚕」という
はじめは外にいるような雰囲気で飼育していたが、だんだん遺伝子操作をし、人間が育てるのに都合がよいように蚕の性癖を替えていった。つまり羽があっても飛べなくなったり、もともとは一回だけの交尾なのに、人間のように何回も交尾が出来るように遺伝子の組み換えもした
だから蚕はただ糸を吐けばいいという存在になったのだ
「これ以上どう変えたいわけ?命をもてあそぶのもいい加減にしないと」
と件の農学博士に怒鳴りまくったわけ(やるときゃあやるのよチャ子ちゃん先生は)
其の大学の桑畑には桑蚕が増えている。桑蚕の繭は小さい小指の一関節くらいだ、美しい黄色。先生はその繭から糸を引き帯を織ったのを見せていただいた。何とも神々しい。淡い黄色が生かされていた
交尾も人間の手によるのではなく勝手に自由に飛び回って終了。しかも一回限りなので卵もそんなに増えない。桑の木の根元にしっかりと卵を植え付ける
「ここですよ」
「枯葉に隠れて卵の色も同じように黄色なのね、葉っぱと同じ色なんて命を繋ぐ知恵なんだわ先生いいことしたね、これから蚕博士に任命するっ!」
「おおいにありがとう」
二人で大笑い
しかし巷ではさらに蚕の遺伝子操作が進み、もう最終目標の糸を生かすという目的はなく、糸よりその蛹に目をつけていろんな工業用品や医療用品、化粧用品が作られている。それも時代なのかもしれない。人間のクロ―ン化が進む現在、蚕のクローンなんてもうどこかで行っているのであろう
本来の日本人は蚕の吐く糸をありがたくいただき、それ以外の物は「循環肥料」として命をいただいている感覚であったと思う
科学の発達は命までも科学の力で自由に動かすことが出来るのだ、テレビに出ている人たちもクローンの人がいるのだろう。嘘の世界はもう間もなく幕を閉じると信じている
命を尊びその命に感謝し愛してきたのが日本人。そういう遺伝子を私たちは持っている。そのことに誇りを持ちたい
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