チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐ物だと 264

2019年12月05日 09時23分59秒 | 日記

大嘗宮拝殿の後 竹橋にある近代美術館に行き「鏑木清方」を鑑賞

今回は「築地明石町」「新富町」の実物を見ることができ大満足

今回初めての実物、矢張り圧巻

 

ゆっくり拝見して気がついたことがある。着物の真の美しさは、「隠れた色」にあると言うことだった。

チャコちゃん先生現役着物スタイリストの頃、女優さんたちやモデルさんたちへのポーズ提案にはよく美人画を示して参考にしていただいていた

画家は女性の内面の美しさを引き出すためには味のある仕草を求めてその瞬間を描いている。女も知らない女体の美しさが着物を通して現れる。それが色香というものであろうと思う

 

今回も

袖口、身ハッ、羽裏、襟の返り、足元に溢れる長襦袢。こういった一瞬の動きの中でちらりと見える色の効用。この配色の妙を実にうまく捉えていて飽きさせない。

築地や、浜町、柳橋といった江戸のきれいどころの女たちと、生粋の江戸女の粋な女、日頃の装いの中の自分自身の効かせ色をたっぷり見せてもらった

化粧のうまさ、立ち姿がしゃんとしてるのはきっと健康であったのだろうーそんなこと思いながら明治のおしゃれな女たちから学ぶことのなんと多さ

 

これを見ると着物って底知れぬ深さの美を持っている

どれだけ着物から吸収できるのかわからないけれど、しっかり本物を見続けたいと思った

またドレープの美しさは絹の味。糸の良さが如実に現れていた。あのドレープが一層着物姿を引き立てる

 

全ての現状に言えることだけど、私たちは「形」に満足し、その中に入れるものの価値をないがしろにしているのではないかと強く反省

 

今回の大嘗宮の美しさも全て本物の素材でできているからこその美しさだったとこの目が思う

 

いよいよ量より質の時代に戻ってきた
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする