チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

25歳で急逝

2017年06月19日 14時12分15秒 | 日記
それは今から3年半前
我が社の近くにある熊野神社で白無垢を着て花嫁になったひと
22歳になるまえだった

初々しく可愛く私たちはみんなでこの花嫁づくりを楽しんだ
夫になる私の友人はただただ嬉しさを噛み殺せないでいた
彼も黒紋付の正装

二人は華やかで楽しい生活を広げていて
つい最近はコロラドから二人の楽しそうな写真が送られてきたばかり

それなのに私は
白い着物を着て横たわっている口開かない彼女の傍にずっと座っている

美しい
姫君のような高貴な顔をして横たわっている
そのそばで泣き崩れている夫

涙も出ず悲しみも湧いてこない
目を閉じた顔があまりにも清らかで
「天は天女のような彼女をさらっていったのだ」と思ってしまった
それくらい存在感もなくなって魂はとっくに天に戻ってしまったように思えた

人の死に際には何回かたち合っているが
こんなにスカッとした感じを享ける枕辺の別れは今まで経験したことがない

生前も80歳の女の知恵を持ち人々の心の奥を察知して
それぞれの人に優しく接していた人だった

前世でちょっとやり残したことがあり
それを完成させるために25年地球にいたのかもしれない
コメント
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