チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

墨流し

2013年07月03日 09時20分57秒 | 日記
墨流しは古い古い染色方法ではあるが
一枚の布が宇宙と染める人の意志で柄を決めていく
何ともフシギで楽しい染色ではないか

先月の「比佐子つれづれ」は墨流しの実習だった
指導の高橋孝之先生の教え方が的確で理解しやすく
みなさんあっと言うもにツボを心得たようだ
26人4組に分けて染めていく
「形があるようでないので気楽な染めですね」
なんて初めての取材の時の失言を思い出す

その墨流しの作品が整理されて昨日秋桜舎に届いた
花をまき散らしたような華やかさが部屋中に満る
さっそく一枚ずつヨシダがアイロンを掛け
タナカがきちんとたたんで袋に入れていく
二人とも実に楽しそう

一枚一枚手に取りながら
「◎◎さんのねこんなに優しい」
こんなに個性的、こんなに可愛いなどなど染め上がった布と染めた人の気持ちを思う
先先月講義した源氏物語の「玉鬘」の話を彷彿する

布の力色の力染める人の思い
そんな様々な「気」が布に移されていることを知る

日本のきものっていうのはこのように様々な喜びを染め人織り人にも与えるのだと思う
だからその布に手を通す私たちは更に大きな喜びと幸せを感じる
すべてに感謝


そうそう
染めたものは帯揚げとハンカチ
参加なさった皆さんの手元に届いたときの笑顔を思うとワクワクする
コメント
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