チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

さようなら歌舞伎座

2010年01月12日 10時03分52秒 | 日記
さようなら公演
これが最後
と言う催しは満員になる

何でもそう
閉店大売出しで
一年分の売上をするところも多い

今歌舞伎は連日大入り
もちろん常にお正月公演は人気があるが

かくいうチャコちゃん先生も
流行に乗っていざ歌舞伎座へ
お目当ては「勧進帳」
団十郎の弁慶と勘三郎の義経
油の乗った二人を見たい

団十郎には華がある
男の色気がある
まだ海老蔵の頃取材で楽屋に行って
その品のアル男の色気に上がってしまった若い頃

話を聞きながら真冬なのにびっしりと汗をかき
恥ずかしい思いをした
その後何回かお会いしたがいつもその格に圧倒された

その頃の弁慶も助六も勢いがあってよかったが
ヤハリ年を経た今は奥深い弁慶の心が感じられた
勘三郎は哀愁と気品のある義経を演じていたので
二人の陰陽が良かった

日本の古典芸能は
衣装がその表現を示す割合が多い
洋のバレエは体の表現が最も強く求められる

和は身体を鍛えた上で
その上に着る衣装の色や柄素材にいたるまでが表現の素となる

私たちは奥深い文化の中で生活していることを感じた

歌舞伎座には著名な画家の絵がいたるところに飾ってある
吉兆などが入っていて
舌と目を楽しませてくれる

和服姿の女性も多く劇場に花が咲いたよう
しかしその中で梨園の妻はヤハリ着こなしがチト違う
「ここぞ」
と思う演目を見るとき
精一杯お洒落して幕間には吉兆の弁当を頂く

昔おばが連れて行ってくれた芝居見物はこうであった

いまは日常で誰も教えてくれない所作、作法も
歌舞伎の役者達が舞台で見せてくれる
色んな要素を持った舞台が歌舞伎
コメント
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