千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  TB&コメントにも☆

5月にブルッフを聴きながら考えること

2009-04-30 23:05:51 | Classic
どうせなら、連日マスコミで報道されている人気タレントの泥酔の果ての全裸事件や、パンデミック領域に届きそうな新型インフルエンザではなく、あまり人が注目しない内容について語りたい。。。

昨日の新聞で「不況とクラシック音楽」という寂しい記事が掲載されていた。先日、鑑賞してきた東京フィルの定期演奏会は、晴天の日曜日の昼下がりということもあり、オーチャードホールのおよそ2000席は殆ど観客でうまっていた。いかにも高級住宅街からやってきたと思われるインポートもののスーツをお召しになられた熟年のご夫婦、とても熱心にブルッフを鑑賞されている紳士、ヴァイオリンを抱えた学生やプロもしくはアマチュアの演奏家らしき方々。不景気とはいえ、音楽好きの者にとっては、音楽のない生活はありえない。ところが、日本で最も古い東京フィルハーモニー交響楽団では、昨年の秋以降から法人会員の退会が20社以上に及ぶという。実質約1000万円近い運営資金の減少のため、設立100周年の節目として予定されていた2011年欧州での演奏旅行の延期が決定した。日本フィルハーモニー交響楽団でも、26社が退会。ご存知「すかいらーく」が1988年から億単位の支援を行っていた東京交響楽団では、業績悪化で経営陣が交代して支援がストップ。経費削減はこのご時世当たり前だが、楽員・職員の給与を平均8%カット。それでも公演の質は落とさないと頑張っている。

音楽事務所の「KAJIMOTO」によるとクラシック音楽の公演は次の理由で厳しい状況にあるという。
①市町村合併でひとつの自治体で複数のホールをもつことにより、各ホールの予算縮小。
②指定管理制度の実施で集客力重視で、クラシック公演は敬遠される。

寂しいというよりも悲しい事情だ。だったら、自治体が音楽を興行する意味がないではないか。大阪の橋本知事が在阪楽団の補助金を大幅に!削減した時も、賛否両論あったにせよ、経費削減イコール文化面の予算を削ることには疑問に思う。こうした流れは音楽事務所にも波及し、「ムジークレーベン」や「日本交響楽協会」が倒産した。理由も招聘予定だった海外のオーケストラが金融危機のため来日中止になってことがきっかけだという事を聞けば、他国のオケの台所事情も厳しいことがわかる。豊かな国で、豊かな時代に、金銭的に余裕があって”文化的”なことにちょっと支援をするのであれば、それは金満家の発想でしかない。勿論、受ける側も支援に甘えることなく集客力につながる工夫、社会への存在価値のアピール、質の高い演奏への努力も必要だが、真の支援とは、多少苦しくとも継続して続けることで本当の価値を誇れる。
米国では、世界大恐慌後の1930年から35年にかけて人々がお金をだしあって複数のオーケストラをたちあげた歴史がある。音楽は、決して甘いケーキではない。不景気で暗い時代こそ、音楽は必要なのだから。

■こんなこともつぶやいていたっけ
秋にブラームスを聴きながら考えること

最新の画像もっと見る

コメントを投稿