千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  TB&コメントにも☆

「政治の数学」

2005-07-12 21:45:40 | Book
「政界の正解は、世間の不正解」

毎晩”盛会”らしい某大使館での酒代(「酒池肉林の経費」でもさわりを紹介)やら、社会保険庁が職員用に購入した762台ものマッサージ器。なんかおかしい、いや絶対おかしい政治のお話しを永田町に30年生息し、事務局長も就任し、選挙がおわるたびに「りっぱな胃潰瘍」という結果をえる伊藤淳夫氏が、データーから解説する笑える著書である。本当に、怒りをとおりこしてあきれるくらいに笑える日本の政治の現状だ。

勿論正論の「政治学」ではない。けれど詳細に調べたデーターをもとに、永田町を知り尽くした男の語り口には、一種のアイロニーとペーソスが漂う。先日、NHKで少子化問題をとりあげたときに、こどもを産みたくても産めない、育てられない日本の現状がクローズアップされていた。コメンテーターのひとりが、税金の無駄遣いをやめて子育て支援事業にもう少し振り分けて欲しいといっていたが、まさにそれは世間の正解だ。たいして役にたつとは思えない小冊子「ウォーキング ハンドブック」をOBの天下り先の社会保険庁外部団体から、5000万円以上も出して社会保険庁に売りつけるくらいなら、保育園の充実を。

芸能界や歌舞伎役者ならともかくとして、2世3世の世襲議員が4割も占めるなんてやっぱりへんではないか。政治は商売と違ってあくまでも個人が自らの経験や思想に基づきめざす仕事であって、なにかを世襲するものではない。いややっぱりこれだけ後継ぎが絶えないのなら、もしかしたら政治家というのも、もうかる”商売”なのかもしれない。

そんないち市井人の疑惑と憤懣を裏付けるデーターは、説得力ある。特権を私物化してあぐらをかく政治家には辟易だ。そんな政治家を投票で輩出している我々にも問題はある。けれども様々なデーターには、脱力ものだ。伊藤氏があえて不利なデーター、公表はまずい数字をあげてきわどさから、本の売れスジねらっているとまでは考えにくい。あまり知られていなかった政治の内幕、踊る国会でのセンセイたちの滑稽なパフォーマンスに笑い怒り、あきれながら最後の91.3%の意味するところに恐怖を感じる。軽く読めて、中身は味わい方によってはしっかりしている。日々お忙しい方にはお薦め、遠距離通勤の往復で読めるから。
今は政界から足を洗ったのだろうか、伊藤氏は大学非常勤講師、政治アナリストとなっている。


竹下内閣が全市町村に1億円ずつふるまった「ふるさと創生資金」で、90年に造った「自由の女神」本物(つまりこれは模造品)の4分の1。↑94年の地震では、右腕に怪我をしたらしい。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿