千の天使がバスケットボールする

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都響プロムナードコンサートNo.313

2005-05-29 22:20:17 | Classic
まるで東京ディズニーランドに来ているみたい。
本日、都響の定演でのアンコール曲であるコープランドの「ロデオ」より、ホームタウンを聴いている時の率直な感想だ。
楽しいとは思うが、このような曲は私が求める音楽ではない。
隣席の中年ご夫婦は、どうも招待券をいただいていらしたような気配で、終始いねむりをしていた奥様が挨拶に行こうと提案した夫を制して、(もう)いいでしょうという感じで、演奏が終了するととっととお帰りになった。けれどもそのような方達も充分楽しめる演奏会。

実績は勿論あり、年齢的にもベテランではあるがアフリカ系アメリカ人、ジェイムズ・デプリースト氏を常任指揮者に迎えた、このたびの都響の人事を少々意外な感をもって聞いたのは私だけだろうか。そして25日の「作曲家の肖像」ではバーバー、今日のコープランドと、おそらくデプリーストさんのお得意の直球で勝負にでた感のある就任お披露目プログラム構成と、都響の演奏に接して音楽をとりまく環境も考えた。

以前、ブログでもお伝えしたが都響は石原都知事によるあまりにもといえばあまりにもなリストラがあり、オケの存続のために団員たちは厳しい条件で演奏活動をしている。(東京都職員よりも低い待遇なのでは?)世界的にクラシック人口の減少化がすすみ、そのような寒々とした状況で音楽と社会との関わり、オケとしての存在価値を問われている今、聴衆を育てること、若い世代への教育、そしてオケとしての独自性をうちだす模索が感じられる。

海外から一流の指揮者を次々と招き、知識階級のセンスを満足させるようなプログラムで、多くの固定客をつかんでいるN響は別格だ。どこかの市町村ではないが、平成の大合併をした東京フィルのように、携帯電話の着メロまで売っている商売上手なオケもある。聴き易くなじみやすく、しかもわかりやすい!聴衆のツボをおさえた曲を並べ、矢崎彦太郎氏をシェフにむかえて、フランスのエッセンスをまぶしたおいしいプログラムを提供するシティフィルもある。
そんなせつない日本のオケの事情を充分にくみとり、今後のベクトルを感じさた今日の都響の演奏会だったともいえよう。

デブリートさんは、その出自からの想像と違って明晰にくっきりと音楽を表現するタイプではないような印象を受けた。新しい指揮者を迎え、前半としめをコープランドの曲でまとめたオケの意気込みと指揮者の音楽観が意気投合、とまではいっていなかったようなもどかしさもなきにしもあらずの感だ。今後、多くの演奏を通じ蜜月時代を築いていけるのか、都響ならではの音と個性でその存在をきらめかせることができるのか、ひとりのこよなくクラシック音楽を愛好する者としては祈りたい気分である。

---------プログラム-------指揮  ジェイムズ・デプリースト  ---------------------------------

コープランド 組曲「ビリー・ザ・キット」
コープランド クラリネット協奏曲

ドボルジャーク  交響曲第9番「新世界より」

アンコール
コープランド 「ロデオ」よりホーダウン

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