千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  TB&コメントにも☆

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

『ブーリン家の姉妹』

2008-11-06 00:01:54 | Movie
今から500年前のイングランド、ヘンリー8世(エリック・バナ)が統治していた時代。
5歳年上の王妃キャサリン・オブ・アラゴンの度重なる流産と死産で、世継ぎの男子に恵まれないことから、ヘンリーはこの結婚が呪われているとまで思いつめるようになっていた。ノーフォーク公爵(デヴィッド・モリッシー)は、男児を産むための愛人を探しているうちに、姉の娘アン(ナタリー・ポートマン)を候補に考える。
もしアンがヘンリーに気に入られて男児を産めば、一族に莫大な富と名誉をもたらすのである。
そして、チャンスはやってきた。
王ヘンリーが鹿狩りのために、ブーリン家の邸に滞在する二日間。その美貌と知性でヘンリーを魅了すべく取り入るアンだったが、王は勝気なアンよりも、優しく控えめな妹の方のメアリー(スカーレット・ヨハンセン)を気に入ってしまう。それは、即ちアンともども新婚にも関わらずメアリーは宮廷にあがり、王の愛人になることだった。愛人とは言え、メアリーの栄光を眺めながら、プライドを傷つけられたアンは嫉妬と憎悪をつのらせ、それは姉妹の確執の根となっていくのだったが。。。

姉妹だから、似ているとも限らない。ふたりとも魅力的な容姿だがタイプも性格も全く異なる姉妹も多く、そこに映画や物語になりうる要素がある。スカーレット・ヨハンセンの起用は、彼女と全く別のタイプと容姿のナタリー・ポートマンの提案だそうが、最初は意外と思っていたキャスティングがふたりともかなりはまっている。外見の美しさと魅力だけでなく、演技力もあることも証明している。このふたつの画像を見比べると、エリック・バナ演じるヘンリー王をはさんで、アンが前に出ているかと思えば、もう一枚の方はメアリーの方が中央の前面に出ている。このように、娘が、家族ひいては一族の繁栄のための道具だった時代、ブーリン家の姉と妹の運命は、一族の策略と陰謀のため、またヘンリー王の欲望を利用し、利用されて、まるでオセロのように転々としていく。「禍福はあざなえる縄の如し」ではないが、男児を産んだ妹の幸運は姉の不運になり、姉の幸福と計画は、妹の不幸と失脚になり、美しいふたりの姉妹の劇的な展開がめまぐるしく、映画は華麗だが陰気な宮廷を背景にドラマチックに盛り上げていく。

最高権力と莫大な富をもつ傲慢さとローマ法王に気をつかう王ヘンリー気の弱さ、アンの知的だが自らの策略に溺れていく悲劇と凡庸に見えながらも堅実に穏やかな人生を歩いていくメアリー。恋愛ものの常套手段である姉妹と王冠をかけた三角関係に、みっつの頂点にあたる人物の性格描写が鮮やかで一時も目が離せない。それにしても、ヘンリー王の残虐さには、現代の姫たちは恐れおののくのではないだろうか。一時でも寵愛し、愛児を産んだ女性なのにあの仕打ちはありですかっ、、、と思うのは歴史と時代を知らない私の無知ゆえか。
権力はさほどなかっただろうが、文字通り長者番付の常連だった小室哲哉容疑者の逮捕劇に驚く姫たちは、一様に、西麻布の豪華マンションに住んでも明日はどうなる身分よりも、メアリーのようにセレブでなく平凡でも静かな結婚生活へと”婚活”の路線変更するかもしれない。得るものが大きければ、失うものも大きい。

監督:ジャスティン・チャドウィック
2007年製作 英国・米国

■ブーリン家の姉妹たちのこれまでのご活躍
・姉⇒『宮廷画家ゴヤは見た』
・妹⇒『タロット殺人事件』
  ⇒『マッチポイント』

コメント (2)   この記事についてブログを書く
« 「情熱大陸」大野和士・指揮者 | トップ | 『カラヤンの美』 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして! (由香)
2008-11-22 23:02:28
いつもお世話になっております。
★YUKAの気ままな有閑日記★の由香と申します。
これからも宜しくお願い致します!

これは見応えのある映画でしたね~
脚色があるとはいえ、史実に基づいて作られた映画で、エリザベス1世誕生の陰にはこんなドラマがあったのかぁ~と思うと感慨深いです。

アンは自分の策に溺れてしまった感がありますよね~それを演じきったナタリーには惹きつけられました。
スカーレットも意外なほどハマっていましたね。穏やかな表情でしたが、最後は意志の強さを感じさせてくれました。


由香さまへ (樹衣子*店主)
2008-11-23 20:24:38
コメントをありがとうございます。
こちらこそ宜しくお願いします。

>アンは自分の策に溺れてしまった感がありますよね

頭が切れて男勝り、また頭のよさに自信があったために自壊した感じでしたね。実際、ナタリー・ポートマンは頭脳も素晴らしいようですし、顔はあのように完璧に近い美形。はまり役でした。

ついでに「エリザベス・ゴールデンエイジ」も観たくなりました。^^

コメントを投稿

Movie」カテゴリの最新記事