宇宙のこっくり亭

意識の覚醒に向かって、精神世界を縦横無尽に語る本格派ブログ!!

広がる大気汚染

2013年12月03日 | こっくり亭日記

中国に出張中の友人から連絡があった。とにかく、空気が汚れててスゴイらしい。目がかゆくて痛くて、息もできない。「出張だからいいようなものの、こんなところに転勤になったら、辞めるしかないな」と言う。

以前は、大気汚染といえば「北京」だったけど、最近は、上海にまで汚染が広がってきた。12月2日(2013年)は、地元の人も驚くほど空気が悪かった。ついに上海でも最悪の「汚染度・第六段階」に指定された。いつもはそこまで悪くないんだけど、気象配置の都合で空気の流れが滞ったみたい。

大気汚染は韓国のソウルにも広がっている。先日ソウルで起きた、ヘリコプターが高層マンションに激突した事故は、韓国では「中国からの大気汚染で、視界が悪かったせいだ」と言われ、これに中国人が「また、悪いことを俺たちのせいにするのかよ、韓国人!?」と猛反発している。中国では、北京のあたりから上海あたりにかけて、だだっ広い大平原が広がっている。それに比べて、ソウルは狭い盆地なので、空気がこもりやすいんだそうな。

上海の中心部の発展はものすごくて、東京はもちろん、ニューヨークから来た人でさえ圧倒されるほど。まさしく、東洋の大都にふさわしい壮観だ。

アリガチなこととはいえ、筆者は、上海や台湾が大好きで、北京や韓国には悪い印象を持っている。もっとも、北京には行ったこともなければ、北京人と話をしたことも少ないので、本当は良いところなのかもしれないが・・・(笑)。

それはともかく、以前は、「経済成長がストップした日本より、絶賛発展中の中国で働きたいものだな?」と思った時期もあった。でも実際のところ、アレルギー体質の筆者が中国で生活するのは、かなり無理っぽい。何日か滞在するくらいが限界だ。何年か前には、花粉症で苦しんでいるのを見て、知り合いの上海人から「それなら中国に行くよろし。日本と違って木が生えてないから、花粉なんか全然ないよ」と言われたものだったけど、今では、それどころの騒ぎじゃなくなった。

特にひどいのは北京で、「マンションで窓を締め切っていても、部屋の中でマスクが必要だ」とか、「まわりの空気全体が、煙みたい。視界が悪くて、車の運転どころじゃない」とか、にわかに信じがたい話ばかりが聞こえてくる。それも、PM2.5を超えるPM10とか、かなり悪質な汚染物質が増えている。そんなところに住んでいたら、マジで寿命が縮むことだろう。

華北平原は、日本の国土とほぼ同じくらいの広大な地域に広がる、まさに大陸そのもののようなスケールの大平原。気の遠くなるような歳月にわたって大黄河の洪水にならされてきてるから、どこまでも平たくて地平線が続く。北京は、そんな大平原の北端に位置しているから、南側は開けている。換気の条件は、悪くないはずだ。それでいて、それだけ空気が汚れているというところに、問題の根の深さを感じさせる。以前なら、「冬になると、寒くて石炭を燃やすから」とか言われてたが、今年に入って、もう季節も関係なくなってきた。

石炭を燃やすと、灰が出る。こればっかりは、仕方がない。日本の製鉄所の場合は、オーストラリアの良質な石炭を使っている上に、ムダなく使ってカスを出さない高度な技術があるけど、中国では、そうはいかない。そもそも、暖房で石炭を燃やすこと自体が問題なのだが、これも他に燃料がないから仕方がない。

影の世界政府がケムトレイルをまくまでもなく(笑)、地球の大気には汚染物質がバラまかれている。

石炭に変わるエネルギー源・・・と言ったら、まず思いつくのは原子力発電だけど、やはり事故が怖い。韓国だって、「山」と言えば「川」、「日本」と言えば「放射能」というくらい、いつも日本の放射能の話で盛り上がってるが、実際には韓国のほうが、福島より放射能が濃いらしい。韓国の原子力発電所は手抜き工事で欠陥だらけのため、止められてるのが多い。それが、深刻な電力不足の原因になっている。

日本も、全国で原子力発電所が止まってるおかげで、代わりに石油を大量に燃やすようになり、石油・天然ガスの輸入が大幅に増えている。福島の事故以来、日本の貿易赤字はすっかり定着した。

確かに、原発事故の被害は深刻だし、原子力発電が復活するのは難しいだろう。だだし、原子力発電をやらないのは別にいいんだけど、代わりに石油を燃やすのが良いことかと言えば、ちっとも良くはない。中国の石炭ほどじゃないとはいえ、やはり資源のムダ使いだし、大気汚染にもつながる。

このように、ひとつの問題に対処すると、別の問題が発生する。アチラを立てれば、コチラが立たず。それが世の中の常というもの。

中国の大気汚染がひどいのは知れ渡ってきたけど、その影に隠れて目立たないとはいえ、インドの大都市もひどいらしい。こればっかりは、急速な経済発展の副作用。それだけ人口が多いんだから、仕方がないと言える。

大気汚染対策の鍵を握るのは、なんといっても石油や石炭、特に、石炭を燃やさないことだ。でも、その代わりに原子力というのも、また難しい。

いよいよ人類は、代わりのエネルギー源を創り出すしかなくなったようだ・・・。もっとも、「新しいエネルギー源は、すでに開発されている」と言う人も少なくない。