宇宙のこっくり亭

意識の覚醒に向かって、精神世界を縦横無尽に語る本格派ブログ!!

「愛」の反対は「恐怖」

2009年11月20日 | 精神世界を語る
 
通常、「愛」の反対としては、「憎しみ」とか「嫌悪」とかをイメージするものでしょう。
 
でも、精神世界ジャンルにおいては、「愛の反対は、恐怖である」という認識が定着してきています。これには、やはり「ACIM ~ 奇跡のコース」の影響が大きい。近年では、さらに、ニール・D・ウォルシュのベストセラー「神との対話」で、この認識が広がりました。
 
それにしても、なぜ、「愛」の反対が「恐怖」なのか。「アナタを愛してます」の反対は、「アナタが怖いです」というより、「アナタなんか嫌いです」という方が、よほどシックリ来るような気がするのだが・・・。そもそも、「愛憎」とか「好き嫌い」という一対の熟語はあるけど、「愛恐」とか「好き怖い」という言葉はないし・・・。
  
それでもやっぱり、「愛」の反対は、「恐怖」で決まりでしょう。というのも、精神世界で問題にしているのは、「統合と分離」という、両極のエネルギー。平たく言えば、「くっつくか、離れるか」という問題だから。
 
「愛」には、神と人とを近づけ、人と人とを近づける効果がある。一方、「恐怖」には、神と人とを遠ざけ、人と人とを遠ざける効果があります。
 
怖いとき、人は逃げようとする。怖いヒトが向こうから歩いてきたら、避けるのが普通でしょう。壁の中に閉じこもって、隠れるかもしれません。
 
「でも、嫌いなヒトや、憎たらしいヒトが向こうから歩いてきたって、やっぱり避けるでしょうよ」という意見もあるでしょうが、そうとは限らない(笑)。
 
たとえば、かつてプロ野球が「国民的娯楽」と言われていた頃、世間は「巨人ファン」と「アンチ巨人」に二極化してました。アンチ巨人は、とにかく巨人が嫌いで、巨人が負けると大喜び。そのため、いつもテレビで巨人戦を見ては、相手チームを応援するという人々。でも結果的に、いつも巨人戦ばかり見ていて、巨人のことなら実によく知っている。そのため、「アンチ巨人も、広い意味では一種の巨人ファンである」と言われていたものだ。
 
ネット上でも、2chの東アジア板などを見れば、嫌韓派の人たちが、いつも韓国のウワサ話で盛り上がっています。いい悪いは別にして、あれだけ熱烈な関心を持っている人たちがいるのだから、隣国との精神的距離は縮まっていると言えなくもない(?)。
 
こういう実例を見れば、「嫌い」だからといって、相手から遠ざかるとは限らないということが分かります。
 
しかし、「怖い」という気持ちは、とにかく早く相手から遠ざかろうという衝動しか生みません。三十六計、逃げるが勝ち。さっさと逃げよう。その一点に尽きます。鎧や兜で身を守るのも、恐怖心の表れ。あるいは、「怖いから消してしまおう」とばかりに、先制攻撃へとつながることもある。「攻撃は最大の防御」といったところか。戦争も、相手国やテロリストへの恐怖から起きています。
  
もっとも、キリスト教圏の精神世界論が、ことさらに「怖れ」を問題にするのは、必ずしも人間や国家などに対する怖れだけを問題にしているわけではありません。やはり、あらゆる怖れの中でも最大の怖れである、「神に対する怖れ」を抜きにしては考えられないでしょう。
 
旧約聖書の神様は、なにかといえば、怒って人々を皆殺しにしてしまう。被造物たる人間を生かすも殺すも、創造主たる神の自由なのだから、これは当然のことと言える。でも、ある意味で、キリスト教の神様はそれ以上に怖ろしい。死後に魂を救済することも、魂を消滅させることも、神が自由に決める。人間の意志では、どうにもならない・・・。あまりにも絶対的で、途方もなく怖い存在です。
 
「全治全能の神に罰せられる」という恐怖は、人間の心の深いところに巣食っています。これが、神と人との距離を遠ざけている。
   
キリスト教圏やイスラム教圏の精神世界探求者たちは、「神との一体化」を目指して探求しています。神に近づき、一体化することこそ、人間として望みうるベストであり、至福の境地とされてきた。
 
そのために最大の障害となるのは、神に対する怖れ。「私は宗教が嫌いです」という人は多いけど、「私は神が嫌いです」とか、「神が憎くてたまりません」というような人は、あんまりいない。でも、「神が怖い」という意識は、口に出さないまでも、人の心の深いところを縛っています。
  
恐怖にとりつかれた人間は、心を鎧のようなもので覆われている。これが、神に対する直接認識をさまたげているという。
 
神を愛せ。怖れるな。天使が人間の前に姿を現すときも、決まって口にするのは、「怖れるな」という言葉でした。
 
汝、怖れるなかれ。ありがたや・・・・・。合掌。
 
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