★ 記憶の彼方から
エレベーターに乗った瞬間に、わたしの鼻孔を刺激した香りがあった。
何故かその香りが懐かしく、思わず息を深く吸い込んだ。大勢乗っていたエレーベターは、その香りの主が誰だか分らないほど、人の乗り降りが激しかった。
わたしが若かった大昔は、まだ男性がオーデコロンを付ける人は、滅多にいなかった。すると、突然タイムスリップして記憶の彼方にあった、大昔のある情景が
浮かんだ。それはわたしの恋人がいつも漂わせていた香りだった。
人一倍鼻の良いわたしは、彼の香りはとって鮮烈だったし、そのわたしの好み
にあった香りが、彼に惹きつけられた原因の一つかも知れない。
離婚歴があり大分年齢が上だったが、ルックスも、教養も、経済力も申し分ない人だった。そして、まるでわたしをお姫様のように大切にしてくれ、付き合って
から交際三ヶ月後にプロポーズされた。
まだその頃まだわたしは19歳だった。両親に相談すると賛成してくれたが、決断力バツグンのわたしは躊躇した。なぜなら、一緒に歩いていて、わたしが人の視線を引くことを極端に嫌って、喫茶店やレストランなどでもそれを感じると、席を替わったほどで、かなり嫉妬心が強い人だと感じたからだ。
もしかしたら、結婚していたかも知れなかった人だけど、夫と知り合ってから、結局別離したが、わたしより一回り上の彼はまだ存命しているのだろうか?と
ふと考えた。
まだ、若かったわたしは、その迷っていた頃に夫と知り合ったが、会う度事に
夫に魅かれ、大昔とは言えまるで天と地ほどの条件の差がある夫を選んだ。
もしもその香りの主と結婚していたら、多分今のわたしはいないだろう。
でも今思うと、わたしの選択は間違ってはいなかった。夫は大らかで包容力のある人だから、ナーンテ瞬時にいろいろなことが頭をよぎった。
それにしても月の流れの早さは何と早いのだろう。
今は年老いたが、早く家庭に入り青春時代を駈け抜けたわたしだが、それ以外にも華やかな思い出が沢山ある若い時代を持てたことはやはり幸せだった。
それに「現在もわたしが最も大切にしている、精神的な安定状態にも恵まれ
穏やかに過ごせる毎日が有難いわ」と、美しい夜景を見ながら、久しぶりに会った友人と、シャンペンで乾杯してから昔話をした。
エレベーターに乗った瞬間に、わたしの鼻孔を刺激した香りがあった。
何故かその香りが懐かしく、思わず息を深く吸い込んだ。大勢乗っていたエレーベターは、その香りの主が誰だか分らないほど、人の乗り降りが激しかった。
わたしが若かった大昔は、まだ男性がオーデコロンを付ける人は、滅多にいなかった。すると、突然タイムスリップして記憶の彼方にあった、大昔のある情景が
浮かんだ。それはわたしの恋人がいつも漂わせていた香りだった。
人一倍鼻の良いわたしは、彼の香りはとって鮮烈だったし、そのわたしの好み
にあった香りが、彼に惹きつけられた原因の一つかも知れない。
離婚歴があり大分年齢が上だったが、ルックスも、教養も、経済力も申し分ない人だった。そして、まるでわたしをお姫様のように大切にしてくれ、付き合って
から交際三ヶ月後にプロポーズされた。
まだその頃まだわたしは19歳だった。両親に相談すると賛成してくれたが、決断力バツグンのわたしは躊躇した。なぜなら、一緒に歩いていて、わたしが人の視線を引くことを極端に嫌って、喫茶店やレストランなどでもそれを感じると、席を替わったほどで、かなり嫉妬心が強い人だと感じたからだ。
もしかしたら、結婚していたかも知れなかった人だけど、夫と知り合ってから、結局別離したが、わたしより一回り上の彼はまだ存命しているのだろうか?と
ふと考えた。
まだ、若かったわたしは、その迷っていた頃に夫と知り合ったが、会う度事に
夫に魅かれ、大昔とは言えまるで天と地ほどの条件の差がある夫を選んだ。
もしもその香りの主と結婚していたら、多分今のわたしはいないだろう。
でも今思うと、わたしの選択は間違ってはいなかった。夫は大らかで包容力のある人だから、ナーンテ瞬時にいろいろなことが頭をよぎった。
それにしても月の流れの早さは何と早いのだろう。
今は年老いたが、早く家庭に入り青春時代を駈け抜けたわたしだが、それ以外にも華やかな思い出が沢山ある若い時代を持てたことはやはり幸せだった。
それに「現在もわたしが最も大切にしている、精神的な安定状態にも恵まれ
穏やかに過ごせる毎日が有難いわ」と、美しい夜景を見ながら、久しぶりに会った友人と、シャンペンで乾杯してから昔話をした。