☆ 思わずカッとして
先日薬味のねぎを刻もうとして、野菜室を見たが、どうしても見つからない。
確かに買ったばかりなのにと、夫に聞いたら「ここに入っているよ」と出したのは
冷凍でコチンコチンになったねぎだった。
思わずカーッとなった。「もう何度言っても分からないのだから」と私はねぎを
流し台に叩きつけた。すると真っ白で太いねぎはまっ二つに折れたので、私は二本の
ねぎをばんばんぶつけたら、少しは気持ちが晴れたが、夫は「そんなことすると
流しがこわれるよ」ニヤニヤしている。
今は野菜がとても高い、勿体なくて捨てられない、まして私の最も大好きな長ねぎ
だ。急いでお湯を沸かし、叩きつけて鍋に入る位に短くなったねぎと、同じように
コチンコチン小松菜を茹でながら、昨日のことを思い出した。
一旦買い物から帰り、もう一度足りないものを買いに行くため、沢山の買い物を
夫に「これ冷蔵庫に入れておいてね、お願い」と言って家を出たのだ。
冷蔵庫は買い換えてから一年半経つが、以前は野菜室が一番下で、真ん中が
冷凍室だったので、それが以前の場所が彼の頭にインプットされているようで
実は何度も野菜を冷凍にしたのだが、それをうっかり忘れて、私が出ていったので
それを忘れた私が悪かったのかもしれないと少々反省した。
あんなに腹が立ったことは最近あまりないが、でもしばらくして冷静になって
から考えた。夫は認知症と診断され治療を受けてから、この三月で満三年になる。
金銭管理もできず、日にちの感覚がなく、短期記憶はほとんどできず、判断力も
衰えているのは明らかだが、今現在は日常生活にはほとんど不自由はない。
ただ、毎日治療のための薬を飲ませるのが、とても大変だが、やはり夫を介護して
いる友人の電話では、最近おむつをしているが、それが漏れて大変だと聞いた。
それに比べたら、夫は穏やかでまだ家事も手伝ってくれるし、友人達との交流関係
も大変良い。昔のことはシッカリ覚えているし、誰にでもキチンと対応できるので
他人には彼が認知症とは気がつかない人が多いようだ。
☆ 家に帰ってみると
でも今日はお昼の食事を準備し、早い夕食にもし間に合わなければと、夕食も
ほとんど用意して出かけたが、途中で何度電話をしても出なかった。
7時ごろ家に帰ったら、お昼は食べてキチンと片づけてあったが、夕食はすました
様子がない。寝ていたので「夕飯は食べたの?」と聞いたら、「食べていない、お腹は
空いている」と言った。すぐに準備し起こしたが、何時に寝たのか聞いても分か
らないし、ペットにえさをやったのかも覚えていない。
何を聞いても「覚えていない」と一点張りで、会話ができず、ずっと一人で鼻歌
を歌っている。私が見ている番組も、気に入らないと突然替える、とにかくあまり
機嫌が良くないのは確かだ。彼の精神衛生には、私が何時も家にいた方が断然良い
ことを改めて実感した。これからはだんだん長時間家を空けられなくなるかも知れ
ない、すると「現在の私の生活様式は変えざるをえないのだろうか?」と、初めて
暗然とした気分になった。でももしかしたら、三年も経過したのに、何とか自分の
生活パターンを維持できただけでも幸せなのかもしれないと、自分をなだめた。
先日薬味のねぎを刻もうとして、野菜室を見たが、どうしても見つからない。
確かに買ったばかりなのにと、夫に聞いたら「ここに入っているよ」と出したのは
冷凍でコチンコチンになったねぎだった。
思わずカーッとなった。「もう何度言っても分からないのだから」と私はねぎを
流し台に叩きつけた。すると真っ白で太いねぎはまっ二つに折れたので、私は二本の
ねぎをばんばんぶつけたら、少しは気持ちが晴れたが、夫は「そんなことすると
流しがこわれるよ」ニヤニヤしている。
今は野菜がとても高い、勿体なくて捨てられない、まして私の最も大好きな長ねぎ
だ。急いでお湯を沸かし、叩きつけて鍋に入る位に短くなったねぎと、同じように
コチンコチン小松菜を茹でながら、昨日のことを思い出した。
一旦買い物から帰り、もう一度足りないものを買いに行くため、沢山の買い物を
夫に「これ冷蔵庫に入れておいてね、お願い」と言って家を出たのだ。
冷蔵庫は買い換えてから一年半経つが、以前は野菜室が一番下で、真ん中が
冷凍室だったので、それが以前の場所が彼の頭にインプットされているようで
実は何度も野菜を冷凍にしたのだが、それをうっかり忘れて、私が出ていったので
それを忘れた私が悪かったのかもしれないと少々反省した。
あんなに腹が立ったことは最近あまりないが、でもしばらくして冷静になって
から考えた。夫は認知症と診断され治療を受けてから、この三月で満三年になる。
金銭管理もできず、日にちの感覚がなく、短期記憶はほとんどできず、判断力も
衰えているのは明らかだが、今現在は日常生活にはほとんど不自由はない。
ただ、毎日治療のための薬を飲ませるのが、とても大変だが、やはり夫を介護して
いる友人の電話では、最近おむつをしているが、それが漏れて大変だと聞いた。
それに比べたら、夫は穏やかでまだ家事も手伝ってくれるし、友人達との交流関係
も大変良い。昔のことはシッカリ覚えているし、誰にでもキチンと対応できるので
他人には彼が認知症とは気がつかない人が多いようだ。
☆ 家に帰ってみると
でも今日はお昼の食事を準備し、早い夕食にもし間に合わなければと、夕食も
ほとんど用意して出かけたが、途中で何度電話をしても出なかった。
7時ごろ家に帰ったら、お昼は食べてキチンと片づけてあったが、夕食はすました
様子がない。寝ていたので「夕飯は食べたの?」と聞いたら、「食べていない、お腹は
空いている」と言った。すぐに準備し起こしたが、何時に寝たのか聞いても分か
らないし、ペットにえさをやったのかも覚えていない。
何を聞いても「覚えていない」と一点張りで、会話ができず、ずっと一人で鼻歌
を歌っている。私が見ている番組も、気に入らないと突然替える、とにかくあまり
機嫌が良くないのは確かだ。彼の精神衛生には、私が何時も家にいた方が断然良い
ことを改めて実感した。これからはだんだん長時間家を空けられなくなるかも知れ
ない、すると「現在の私の生活様式は変えざるをえないのだろうか?」と、初めて
暗然とした気分になった。でももしかしたら、三年も経過したのに、何とか自分の
生活パターンを維持できただけでも幸せなのかもしれないと、自分をなだめた。