miniな舞台

観劇記録+日記@不定期更新。俳優・内野聖陽さんを勝手に応援中!時々サカナクション。

No.211 「白野-シラノ-」

2007年11月04日 15時14分35秒 | 過去の観劇記録
2007年11月3日(土・祝) マチネ 文化村ミュージアム内特設小劇場【青蛙堂】 桟敷席 2列目 シモテ端

緒形拳さんの一人芝居。
作=エドモンド・ロスタン、演出=鈴木勝秀、音楽=朝比奈尚行、構成=島田正吾、チェロ演奏=ウォルター・ロバーツ。

Bunkamuraザ・ミュージアムの出口付近に作られた、約300人が座れる位の小さく濃密な空間。
能舞台を思わせる、セットもほとんど無く、小道具といえば小さな文机と椅子のみ、という簡素な作りだが、想像力が掻き立てられる。
一人芝居を観るのは初めてだったが、緒形さんの素晴らしい芝居に魅了されてしまった。
一人で5役を演じ分け、いないけど見える、ないけど有る…
すぐそばで演じられる、緩急と強弱の効いたセリフ。これを醍醐味って言わずして何と言う?

原作の世界観を日本の江戸~明治期に置き換え、シラノ・ド・ベルジュラック=白野弁十郎(しらの・べんじゅうろう)、ロクサアヌ=千種(ちぐさ)、クリスチャン=来栖生馬(くるす・いくま)となっている。
ますますもって白野はイイ男である。ニンゲン見た目よりも中身が大事なのは当然なのだが、千種への溢れる思いを来栖の口を通して、和歌へ詠み込む、いじらしさ。
最初は勢いのある白野、後半の数十年後、晩年の白野がフロックコートで登場。来栖亡き後尼寺へ入った千種の元へ、世間の動きを知らせに通ってくる最中に、大工が不意に落とした角材で頭に瀕死の重傷を負っている所なのだが、その痛々しさと言ったら(T_T)
死が目の前に迫りながら、千種への思いが通じる場面は かなりウルウル度が上昇してしまいました。
椅子の上で息絶える白野。静かに銀杏の落ち葉がヒラヒラと舞い落ちるのが印象的。
生演奏のチェロの音色がとても心地よく、時を告げる お寺の鐘の音や、商いの声などBGMもなかなか効果的。

いや~ 今年良い舞台が多いな♪


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