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観劇記録+日記@不定期更新。俳優・内野聖陽さんを勝手に応援中!時々サカナクション。

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No.293 「グレイ・ガーデンズ」

2009年11月14日 23時52分36秒 | 過去の観劇記録
2009年11月14日(土) マチネ シアタークリエ 3列 18番

イーディス・ブーヴィエ・ビール(1幕)/リトル・イディ・ビール(2幕)=大竹しのぶ、イーディス・ブーヴィエ・ビール(2幕)=草笛光子、リトル・イディ・ビール(1幕)=彩乃かなみ、ジョセフ・P・ケネディ・Jr.(1幕)/ジェリー(2幕)=川久保拓司、ブルックス・シニア(1幕)/ブルックス・ジュニア(2幕)=デイビット矢野、ジョージ・グールド・ストロング=吉野圭吾、J.V.ブーヴィエ少佐=光枝明彦、他子役2名。
台本=ダグ・ライト、音楽=スコット・フランケル、作詞=マイケル・コリー、演出=宮本亜門、他。

●第1幕(1941年)●
ニューヨーク州ロングアイランド。セレブの集う、華やかなグレイ・ガーデンズ邸。栄華をきわめるブーヴィエ家の美しきイーディス(大竹しのぶ)は、歌手に憧れている。
娘イディ(彩乃かなみ)とJFKの兄ジョセフ(川久保拓司)の婚約パーティでも、また歌うつもりらしい。
●第2幕(1973年)●
キャットフードの空き缶に埋もれ、荒廃したグレイ・ガーデンズ邸。
年老いたイーディス(草笛光子)と婚期を逃したイディ(大竹しのぶ)は、無数の猫に囲まれて暮らしている。
唯一の娯楽であるラジオに耳をすませ、グレイ・ガーデンズの追憶にふけりながら…。
(あらすじは公式HPより)

2007年のトニー賞授賞式でパフォーマンスを見て、なんだか少し気になっていた作品でした。
そんなには期待してなかったんですけど…
2幕最後あたりでボロ泣きしてしまいまして。

1幕、イーディスの若い頃を大竹さんが、2幕は娘リトル・イディとして登場。
2幕は年老いたイーディスを草笛光子さんが演じました。
草笛さん、舞台で拝見するのは何年ぶりでしょうか…?
(2幕ではとてもお綺麗なデコルテが拝めまする)

大竹さんも歌が上手くなりましたね~(上から目線スマソ)
1幕の、常識ハズレの母イディもいいけど、やはり2幕のリトル・イディは衣裳からして素晴らしいインパクトを残してくれました。
かなりアンコ巻いて、中年のデップリした体型にしてましたね。
スカートは上下逆、カーディガンも前後逆、ストッキングの上にガードル?(下着のパンツか?)を履き、ストレスのせいか髪の毛が抜け落ちたアタマにはスカーフが巻かれて、バラの花柄の黒いストッキングに白いパンプス…
さらにはホルターネックの水着(?)姿や、赤い服(こりゃどうなってるのか?カーディガンをスカートに?)
老いた母親との掛け合い漫才のようなやり取りも、ハタから見たら罵詈雑言みたいですが、当の本人達はそうでもないようで。

栄華を極めた一族で、歌手としての夢を断念させられた母イディ。そして今、幸せの絶頂期にいる娘リトル・イディ。
住み込みのピアニスト(グールド)がいる変な関係です。
母は娘を手元に置きたいのか、はたまたタダの嫉妬なのか、娘の婚約をことごとく壊している様子。
娘は婚約発表のパーティのさなか、家を出て行きます。
2幕は、NYに行ったはいいものの挫折して帰ってきたリトル・イディと、母イーディスの暮らしぶり。荒廃した屋敷。猫缶の山。ノミシラミ大発生。
2人とも昔の記憶にすがりつき生きている。娘はなんとしても出ていきたい。まだ一花咲かせたい。
とうとう出て行く決心をしたけど、互いにパラサイトして生きてきた母娘。どちらが居なくなってもダメだった。娘は再び母の元へ戻ってきた。

私はまだ母になってないせいもあるが、どうしても娘リトル・イディの立場で観てしまった。あんな母がいたらどうなんだろう?マヂ家を出たくなるなぁ。
でも2幕、家出を決意したリトル・イディのソロ・ナンバーで涙ちょちょ切れて仕方なかった。

吉野さん、ピアノ弾き語りしてましたが、本当に弾いてましたかね?私の位置では手元はまったく見えなかったのですが、たぶん弾いていたでしょう。
酒におぼれ、服も住まいも提供され、まるでヒモのようなピアニスト…
光枝さん頑固なじーちゃんぶり可愛いですた。
彩乃さんの歌とセリフ、1幕は聞き取りづらくて残念。当時多分流行っていたパンタロン姿がお似合い!(大竹さんも綺麗だった。)
川久保くんは1幕のJ.P.ケネディ爽やか~。2幕のジェリーは、イマイチ関係性はワカランけど、グレイ・ガーデンズ邸に出入りしている、まるで天使のような優しい青年でした。トウモロコシって本物かな?あんな劣悪な環境で食べたくないが(汗)

セットは主にグレイ・ガーデンズ邸内(一角が手前にあり、スライドして前に出てくる。2幕では荒廃した室内、さらにカミテ壁側が大きく開き、リトル・イディの部屋がバコッ!と出てくる仕掛け)と、ツタが絡まる外壁とドア(美術=方剛)。
沢山いるネコ達を映像で表現した所が面白かった(映像=栗山聡之)。

演出はかなりオーソドックスだったから馴染みやすかった。
ミュージカルよりも音楽劇に近かったけど。
もうちょっとこの母娘について勉強してきたら、尚更理解できたかな?
アメリカでは超有名な母娘らしいけど、日本じゃそんなに知ってる人もいなそうだし。
結構評判良いみたいなので、再演とかあるかもね?