miniな舞台

観劇記録+日記@不定期更新。俳優・内野聖陽さんを勝手に応援中!時々サカナクション。

今後の観劇予定

直近はナシです… コロナめ!

No.274 「炎の人」

2009年06月28日 23時04分12秒 | 過去の観劇記録
2009年6月28日(日) マチネ 天王洲銀河劇場 1階 K列 27番

ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ=市村正親、ゴーガン=益岡徹、シィヌ/ラシェル/看護婦=荻野目慶子、ヴェルネ/ルーラン=中嶋しゅう、ヨング牧師/他=大鷹明良、テオドール・ヴァン・ゴッホ=今井朋彦、老婆/他=銀粉蝶、他。
作=三好十郎、演出=栗山民也、他。

「ひまわり」「星月夜」「夜のカフェテラス」とか、今にしてみれば有名な作品は沢山あれど、生前は殆ど作品が売れず、弟の仕送りが生活の頼り。
アルルでのゴーガンとの共同生活、狂気の中での耳切事件とか、その後精神病院入院中の創作活動とか…
そういう位の知識でした。

自画像から抜け出たような市村さんのゴッホ。絵を描くことに情熱を燃やしすぎてしまったゴッホ。
もし私が弟のテオか、もしくはゴーガンだったら絶対キレてるぜ。
だんだんと狂気が忍び寄ってくる様は鬼気迫る。ただゴッホのアタマの中の考えが、ナレーションだったのがイマイチ納得行かない気もするが。
ゴーガン役の益岡さん、あんなにガッチリ大きな体型だったとは! ゴッホの事、一番理解してるんだけど、“面倒くさいヤツ”だとも思ってたろうなぁ。
沢山の画家に声を掛けたにもかかわらず、彼しか共同生活に参加しなかったのだから、友人としても画家としても一目置いていたことは確かだ。
2人の娼婦を演じ分けていた… 荻野目さん。シィヌの方が破滅的で良かったかな。
中嶋しゅうさんがラストに朗読する詩がとても心に染みた~。

今井さん演ずるゴッホの献身的な弟・テオ。ああ、出番少ないっ!金銭的にも精神的にも支え続けて、兄ちゃんのこと大好きだったのだねぇ。でもあんな兄 時々本当にムカつくと思うが(^_^;)
老婆他2役を演じた銀粉蝶さんも上手い。特に画材屋タンギイの妻が。

なんとなく全体的に抑えられた印象を受けた。内容は良かったと思うのだが、1幕前半は眠くなってきたのも事実。
2幕冒頭はゴッホの絵画がスライドで映され(セットは額縁を模していたか)市村ゴッホが、テオ宛ての手紙を朗読する声のみで5分以上。うーん。ここはこれでいいのか?

2幕後半、狂気を帯びたゴッホがついに耳を切り落とすあたりの照明がいい。黄色い壁にひまわりが活けられた花瓶の影と、ゴッホの影(照明=勝柴次朗)。
2幕ラスト、精神病院で自画像を描いている所も静謐な感じで良かった(美術=堀尾幸男)。

東京公演千秋楽の為、客席にはチラホラ有名人の姿も。
市村さんの奥さんである篠原涼子さんもいた。あと終演後楽屋に向かう小栗旬くん(たぶん)も発見。
カテコ挨拶なし。