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観劇記録+日記@不定期更新。俳優・内野聖陽さんを勝手に応援中!時々サカナクション。

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No.212 「カリギュラ」

2007年11月10日 23時24分49秒 | 過去の観劇記録
2007年11月10日(土) マチネ シアターコクーン 1階 A列 8番

カリギュラ=小栗旬、セゾニア=若村麻由美、エリコン=横田栄司、シピオン=勝地涼、ケレア=長谷川博己、歌い手・詩人=月川悠貴、他。
原作=アルベール・カミュ、翻訳=岩切正一郎、演出=蜷川幸雄、他。

ローマ帝国の若き皇帝カリギュラは近親相姦の関係にあった妹が急死した日、宮殿から姿を消した。貴族たちに不安が広がる中、3日後にようやく戻ったカリギュラは、驚くべき宣言を出す。貴族、平民を問わず、資産家を順次殺して財産を没収する――
それは、ほんの手始めだった。相次ぐ処刑と拷問、貴族の妻を略奪し公営売春宿で働かせる、市民のための食料庫を閉鎖して飢饉を起こす、神に扮装して神々を冒涜する…。残虐非道な行為の数々にローマは恐怖で震え上がった。常軌を逸したカリギュラを誰もが恐れたが、愛人のセゾニアは愛ゆえにカリギュラに協力し、非情な女に徹する。17歳の詩人シピオンは父親を殺されたにも関わらず、カリギュラの中に純粋さを感じ取り、心ひかれていく。平穏な生活を求める貴族ケレアはただ一人、カリギュラの思想の危険さを見抜き、クーデターの時期を計り始めていた。「不可能なものが欲しい」、カリギュラの不可解な情熱は、暴走し続け、やがて自らを滅ぼしていく。
(あらすじはコクーンHPより)

公演始まって初の土曜日ということもあってか、コクーン前は開場を待つ人の列。おまけにプログラム売り場も長蛇の列である。こんなに凄いのは久しぶり若しくは初めてかも?
そして女子率の高さといったら…
これだけの注目度は藤原君以上かもしれない。ゲネプロをワイドショーが取り上げてたしね~。

カミュと言えば一人歩きしている「異邦人」という題名(もち、読んでませーん)、それとセイン・カミュの親戚、ということだけですわ。

休憩20分を入れて3時間20分の長い芝居である。
舞台は総ガラス張りでネオン管が窓枠の形に張り巡らされ、猥雑な光を放っているセットが主なもの。あとは食卓の長~いテーブルの場面、コンクリート打ちっ放しのような壁の場面。
ネオン管が灯ったり、暗転時の音楽など、かなりサイケでパンクでした。帰りの電車でプログラムを読んでいると、私の受けた印象は合ってたので良しとしよう(笑)

小栗くんは衣装ばかり注目のようですが(^_^;) たしかに冒頭は布一枚を巻き付けたもので、鍛え上げたであろう身体が良く見えます。布の下は、ちゃんとアンダーパンツ履いてました(どこ観てんぢゃー)
狂気に支配されたカリギュラの、どこかイっちゃった眼。舞台上をグルグル歩き回ったり、テーブルの上を歩き食器を蹴散らし、アタフタしているだけの貴族達を傍目に、一人別の世界で苦悩する若い皇帝…
かなり長くて大量のセリフ、よく覚えました。ちょっとセリフがくぐもっちゃうのが難点です。若さゆえの狂気も合ってはいましたが、“まだまだ感”も有り。時々藤原君に見えてくるし…。
2幕目は女装姿もございまする。えー、美尻ですな(*^_^*) 古田新太氏のシリとはモノが違う(爆)
それともう一つのギャル風衣装は、客席からも苦笑?
セゾニア若村さん。年上の愛人、ばっちり。2幕目の早口は凄い早い。客席にまで復唱を強要してるし。
エリコン横田さん、セリフの通りが違うぞー。こういうワキにチカラがある人がキャスティングされるのは良い良い。
シピオン勝地くん。どうも「犬顔家」がよぎってしまうが(笑)、若く純粋な詩人、カリギュラと同じものを自分の中にも見出し、理解しようとする、2人のせめぎ合いはなかなかのもの。
ケレア長谷川さん。元文学座、やってくれるね~。常にクールで理知的。
月川さんは勿体ない程出番少ないなー。

蜷川さんが大得意の客席使いが無かった。
それにしても重い。「よかった、これが今年の最後じゃなくて…」って感じ。