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公開初日舞台挨拶&映画感想

2007年03月31日 23時25分39秒 | ウチノなお仕事
●映画「あかね空」関連記事●

角川ヘラルド映画「あかね空」
公開初日おめでとうございます~!

新宿ガーデンシネマにて2回ありました初日舞台挨拶の模様を少し。
動画などは「あかね空」公式サイトなどでUPされるかも知れませんし、内野さんのブログでもスタッフさんが早速UPして下さっています。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

新宿ガーデンシネマの前は、この日を心待ちにしていた魔女の皆様大集結ってな感じもしました。
舞台挨拶1回目は、上演終了後。スタッフの動きも慌ただしく、沢山の取材陣。映画が終わって10~15分近く掛り、浜本監督(紫色のベロアジャケット)、内野さん(光沢のあるベージュ色のジャケット、茶色のパンツ、白いワイシャツの胸元は開き気味(笑))、中谷さん(薄ピンクの地に、青紫の花柄・アンティークなお着物)武田くん(長男・栄太郎役)、細田くん(次男・悟郎役)、柳生さん(長女・おきみ役)の三人は現代っ子らしい服でした。
試写会の司会もされてた方が今日も司会。
内野さんは相変わらず汗かきで(笑)そして、喋っている人の方をキチンと向いています。
照明のせいか、髪の毛の色も目立ちません。少し日焼けして、更にマッチョ。
浜本監督は外見とは裏腹(笑)な小心者だと自分で語っておられました。3人のワカモノはですね… やはり話し方がワカモノでしたね(^_^;)
武田くんは、打ち上げの日に内野さんが酔っぱらっているのをいいことに、「いつか内野さんを超えてやる!」と言ったそうで、(思わず“ムリやろ~”とココロの中でツっこむ)それを受けて内野さんは「その頃には俺も成長している」と何ともオトナな受け答えしてました。

フォトセッションの時に、各社のカメラに向かって目線をくれます♪
静かな会場に響き渡る、シャッターの音とフラッシュの数々。なんだかTVで見るそのままで、すごく心が躍りました。
映像撮影時には「何か動きを…」と言われ、内野さんだけ、変な動きをしてました(笑)

2回目はマスコミもいないので、もっと砕けた挨拶になりました。
名前を呼ばれてから登場なのに、先に会場に入ろうとしてアワアワしてる内野さんo(^-^)o
中谷さんから何か声を掛けられたのに、聞こえてなかったのか…
やっぱアワアワしてて、ほんまオチャメですわ~

2回目には、1回目には持ってなかった白いハンカチを取り出し、登壇して自分の挨拶が済んですぐに(中谷さんが挨拶をしている時)汗ふきふき。
それと、司会の方にかなり「いぢられ」ている浜本監督。
中谷さんはお豆腐の宣伝もしてました。実際取材や修行に行った、平野屋さんのお豆腐と揚げたての油揚げは相当美味しかったのでしょう。
この映画の興行成績が良ければ、「俵屋(←字はあってるのか?)」という高級旅館に、キャストのみんなで宿泊できるらしいので、「みなさんもご協力下さい!」とか言ってました。
最後に「お豆腐は木綿か絹か、どっちが好きですか?」という質問。
内野さんは絹ごしがお好きだそうです。ちなみに私は木綿派です(←誰も聞いてないっちゅうの~)

がんばってチケ取った甲斐がありました。やはりナマ内野さんはカッキー!
2回目の上映中、オナカがぐーぐー鳴って大変でした。だって1回目と2回目の間はすごく少なくて、なにも食べるヒマは無かったのです…

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

さて、ここからは映画の感想です。ネタバレ有りですので、ご注意めされ。



原作を読んで予習しましたけど、別に読まなくても充分楽しめる映画だと思います。それに原作とは違う所もありますし、なにせ2時間という尺に納めるには、色んな箇所をカットしたり、時間を飛ばしたりしなければならないですからね…

VFXと呼ばれるCGで鮮やかに描かれる、江戸の町並み。昔行った「ワープステーション江戸」のセットが、本当に良く映されていて、感心しきりです。
狭い長屋の、密着した人間関係が、忘れ去られようとしている人情そのままで暖かいです。
そして、本当に冬撮影したのか…?と思うほど、まったくもって夏のシーンは夏!

内野さんは2役です。豆腐屋「京や」の主人“永吉”と、霊巌寺の賭場を仕切る親分“傳蔵”。プログラムでも土屋さん・縄田さんが素晴らしく内野さんの演技を褒めてくださっています。
この2人は相反するキャラクターですが、根底に流れるものは同じですね。
豆腐を作る永吉さんの ぶっとい腕にホレボレ(しかも短い袖から覗く、腹掛け&ワキのうつくしーことw)京ことばは少し違和感がなきにしもあらず…ってところですが、豆腐屋を実直にやりながら、3人の子供、特に長男・栄太郎に対する接し方の難しさ、夫婦の意見の食い違い(ウチにもよくある)苦悩のままで、早馬に轢かれて、あっけない死を迎えてしまいます。
原作では馬に轢かれて死んでないのですが…(^_^;)
なにげに戒名に「陽」の字がありましたね~
中谷さんとのケンカシーン、すごくリアルで迫力がありました。
打って変わって傳蔵オヤビン!!ほれました~♪ かっこいいっっ!
黒くて長ーい着物、その裾から覗く脚… 着物の着こなし方、立ち振る舞い、とても良いです。オヤビンだけ編集してください(爆)
中谷さんも、若い頃から夫の初七日を迎えるまでを丹念に演じてらっしゃいました。もうすこし老けさせてもいいかな…とも思いますが。「へーき、へーき」と明るく気丈な娘時代。やがて苦労を重ねた中年時代にはそのコトバも少なくなっていきます。自分の注意が行かなかったばかりに、栄太郎にヤケドさせてしまった負い目から、溺愛してしまう母親の、少し曲がった愛情。
原作で描かれる、栄太郎が回復するまで、子供は欲しがりませんと願を掛けるんですね。でも次男・悟郎が出来る。それと同時に父・源治(泉谷しげる)を失い、続く長女・おきみが誕生した時には母・おみつ(角替和枝)を失う。
これは自分が願を掛けたにもかかわらず、約束を違えてしまった罰だ…と、思いこみも激しい おふみは考えます。だから余計に、栄太郎に溺愛してしまう。
そんな、弱くて強い母親像です。
原作でも超泣いた、相州屋(すんません、ずっと「あいしゅうや」だと思ってましたら、「そうしゅうや」なんですね…)の清兵衛(石橋蓮司)と、おしの(岩下志麻)の夫婦。映画でも泣かされました(T_T)
やっと出来た跡取りの正吉を、人混みの永代橋で迷子にさせてしまった。結局見つからず、二人は互いに負い目を感じながら生きていきます。京から下ってきた永吉に、息子・正吉の姿を重ねる、おしの。永吉を見つめるその眼差しは優しく、豆腐を入れた器を愛おしそうに抱えます。清兵衛も、「豆腐屋が、人様の作った豆腐を食えるか!」と突っぱねますが、おしのの気持ちを考えて、京やが繁盛していくように永代寺に掛け合うなど、心を掛けます。
そして病の床に伏せった清兵衛。雨の降るその日は、永吉とおふみの祝言の日でした。閉め切った相州屋に聞こえてくる、木遣りの歌声。明るい祝言と、暗い死の床の2シーンが交互に映され、ここは本当に上手いな~と涙ながらに見ておりました。
3人の子供達もなかなかイキイキとしていました。母の溺愛を迷惑だと思いながらも、ずるすると悪い道へと進んでしまう栄太郎の弱さ、悟郎の口がヘタな無骨さ、しっかりと家族を見つめる、おきみの目。
源治の職人気質、おみつ始め長屋のおかみさん連中の“あけすけ”な感じもいいですね~
棒手振(豆腐を売り歩く商売ですね)の嘉次郎役、勝村政信さんも鯔背。商売敵で、京やの身代を乗っ取ろうと企む平田屋の中村梅雀さんも、穏和なお顔とは対照的な小賢しい悪役です。
瓦版売り→Take2の東貴博さん、賭場のカシラ→六平直政さん、傳蔵の下にいる役者→村杉蝉之介さん、豆腐屋仲間の常盤屋→鴻上尚史さん。など、小劇場からお笑い(?)まで、チョイ役で出ております。

激しいチャンバラがあるわけでもなく、基本的に静かに江戸の生活、豆腐屋の夫婦・親子、人情が描かれていく映画です。
大ヒット!はしないかも知れませんが(汗)、しみじみと良い作品だと思います。