アキバ系ギャンブラーの賭け

ギャンブルで儲けてアニメに貢ぐという崇高(?)な目的のため、ありとあらゆるギャンブルに手を出すギャンブラーの日記

(アキバ系・中央競馬)ウマ娘 第7話

2018-05-08 22:19:06 | アキバ系
 日曜日の深夜、いろんな意味で注目のウマ娘プリティーダービー第7話が放送されました。

 このアニメは(最近の深夜アニメでは結構多いですが)次回予告がなく、公式ホームページに載せられた予告も詳細が書かれていなかったのですが、第6話でサイレンススズカがエルコンドルパサーに影も踏ませず逃げ切った毎日王冠の様子が描かれたため、第7話はあの天皇賞秋の様子が描かれるのではないかと予想されました。
 ネットなどでも、サイレンススズカは史実通り死んでしまうのか、故障はするけど死なないのか、或いは故障自体しないのかと、色々な意見が飛び交っていました。私は、さすがに死なせはしないのではないか、しかし故障は不可避だろうと予想していました。

 この作品は本当に練られてると思います。
 4話くらいまでは、ほぼ史実通りに話が進んでいたのですが、5話で描かれた日本ダービーでは大きな「if」がありました。史実ではダービーに出走していないエルコンドルパサーがダービーに出走したのです。
 史実のエルコンドルパサーがダービーに出走しなかった理由は「外国産馬だったから」です。しかし、現在は撤廃されているルールであり、もし当時も撤廃されていれば、おそらくエルコンドルパサーもダービーに出走していたと思います。この話で、史実と違うこともあるということを視聴者に意識させたのは、天皇賞秋への伏線だったのではないかと思います。なお、ダービーは同着という少し安易な決着となったのですが、スペシャルウィークにダービーを取らせないのもおかしいし、史実では日本で唯一負けた相手がサイレンススズカだったというエルコンドルパサーにそれ以外の黒星を付けたくなかったということで、同着という結果を選んだのではないかと思います。その結果、6話の毎日王冠で初の敗北を喫して涙を流すエルコンドルパサーの演出が生えました。
 一方、粉砕骨折などの回復不能な骨折をしてしまった馬が予後不良となる理由が、馬は自分の足で立たないといずれ病気になり死んでしまうという理由を考えると、人の形をしているウマ娘はそんな骨折をしても死なないのではないかとも思ったのですが、6話ではトレーナーの会話で、時速70kmで走るウマ娘が転倒すると大事故につながることがあるような会話をしており、やはり悲劇の展開は避けられないという雰囲気を作り出していました。

 そして第7話。
 いきなり、スペシャルウィークが生八つ橋を持って帰ってきて「負けました~」の一言。菊花賞はあっさり終わってしまいました。実は、現在は菊花賞が天皇賞より先に行われていますが、当時は菊花賞の方が後だったので、「いつもゴール前で応援してくれるサイレンススズカがいなくて、力を出し切れず負ける」みたいな演出あるのではないかと思ったのですが、その予想は外れました。
 その後、合宿に行くような展開もありましたが、これもそれほど引っ張らず、いつもより早い時間にAパートが終了すると、Bパートではいきなり天皇賞秋当日になりました。
 天皇賞も、当時は外国産馬に門戸が開かれていませんでしたが、やはりエルコンドルパサーが出走してきました。エルコンドルパサーをはじめとするチームリギルのメンバーはサイレンススズカに付いていく作戦でしたが、それを許さないペースでスズカは逃げます。1000mの通過は57秒4(史実どおり)。盛り上がる観客。スズカ自身もこれ以上ない手ごたえを感じていて、もう1段ギアを上げようとした時・・・。
 史実通り、故障発症となりました。
 大欅の影に全速で飛び込んだサイレンススズカがその影から出てきた時には誰の目に見ても分かるほどバランスを崩しており、その後スズカの異変に驚きながら横を通り抜けていくウマ娘たち。チームスピカはもちろん、ライバルのチームリギルのメンバーも驚きで目を見開き、実況の声がぼやけていくのに合わせて画面もブラックアウトしていきました。

 この時点では、まだスズカの生死が不明でしたが、お通夜のような表彰式の様子が映り、病院のシーンに切り替わり、待合室にいるチームスピカのメンバーが映った後、スズカは病室で目を覚ましました。史実では、馬運車の中で即安楽死ですから、とりあえず死亡ルートは回避したようです。それでも、競争能力喪失くらいはあるかと思いましたが、回復すれば再び走れるということです。ただし、全力で走れるようになるかどうかについてはトレーナーも言葉を濁しており、まだまだ鬱ルートが続く可能性も残しています。
 実は、スズカが故障した後の様子もその後紹介されました。コーナーの外ラチ付近で倒れこみそうになったスズカ(史実でも、サイレンススズカは粉砕骨折にも関わらずすぐに倒れなかったことで、鞍上の武豊を事故から守ったと言われている)に対し、馬場に飛び込んでスズカに駆け寄ったスぺちゃん(実際の競馬でレース中に馬場内に飛び込んだら大問題になるが、これまでもゴール後に外で見ていたウマ娘が駆け寄ったり、レース前にメンバーと会話したりしているので、ウマ娘レースの世界ではきっと問題ないんだろう(笑))がとっさにスズカを抱きかかえ、トレーナーの指示で骨折した足を地面に付けないようにしたために、大事故につながらなかったということでした(アニメのプロデューサーによると、このシーンは、アメリカ競馬でカリスマティックという馬に起きた事故を参考にしたということです)。最後は、スズカのシングル曲に載せて、他のチームスピカのメンバーはもちろん、チームリギルのメンバーもお見舞いに駆けつけ、スズカが笑顔を見せるという、少しホッとさせられる様子が描かれて第7話が終了しました。

 感想ですが、素直に良かったと思います。
 復活できるという展開は予想外でしたが、故障発症直後の様子は十分すぎるほどショッキングで、馬とウマ娘で姿が全く違うのに、あの日テレビの前で受けた衝撃の瞬間を思い出してしまうほどの、見事な演出でした。現在放送から丸2日経過しましたが、当時のトラウマを思い出したせいで、まだ心がシクシクと痛むような感覚があります。
 ネットを見ると、一部には史実を変えたことに対する否定的な意見もありましたが、概ね評価する意見が大勢を占めていたと思います。私はむしろ、怪我をせずに優勝することの方を心配していた(さすがにサイレンススズカの名前を使いながら、史実を完全に無視するのは許されないと思います)し、十分ショッキングな場面に重ねて死んでしまうような展開はあまりにも重すぎるので、今回の展開は最もバランスの取れたものだったと思います。

 このアニメが始まった時は、私もよくあるガールズコメディーの一つくらいにしか考えておらず、馬名使用の許可をよく出したなと思ったくらいでした。しかし、ふたを開ければ私がこれまで見てきたどんなアニメ作品よりも熱いアニメだったと言っても過言ではありません。この後どのような展開に持っていくか予想も付きませんが、現在は期待が不安を圧倒しています。

(おまけ)
 この作品は、17年秋アニメ個人的ナンバー1の「干物妹うまるちゃんR」18年冬アニメ個人的ナンバー1の「ポプテピピック」に続き、「最速放送が首都圏と同時に見られる」アニメです(うまるちゃんは、本当はAT-Xが最速ですが)。昔は、深夜アニメは首都圏より遅いのが当たり前でしたが、最近はBS11が首都圏と同時に放送してくれる作品が増えてきました。
 以前の私なら録画で見るのですからどちらでも良かったのですが、最近になってツイッター等を見ながらアニメを見る楽しみを覚えたので、今は本当にありがたいと思っています。