1月9日。2023年のJRA賞が発表されました。
最優秀4歳以上牡馬のイクイノックスや、最優秀3歳牝馬のリバティアイランドが満票ではないのもビックリ(他に馬に投票した記者は投票権をはく奪してほしい)ですが、とにかく気に入らないのが最優秀ダートホースです。
ある程度覚悟はしていましたが、レモンポップが受賞しました。ウシュバテソーロは特別賞でした。
思ったより差がつかなかった(166票と126票)のは一筋の光明ですが、それでもウシュバテソーロが最優秀ダートホースにならなかったのは、きわめて遺憾です。
レモンポップの23年の成績はG1を3勝(うち1勝は地方)、G3を1勝、着外1回(ドバイ)です。対してウシュバテソーロは、G1を3勝(海外1勝、地方2勝)、G2を1勝(地方)、5着1回(海外)です。G1級の勝利数は一緒です。海外の1勝はドバイワールドカップです。稼いだ金額は約11億円以上です。
レモンポップに投票した人は、おそらくJRA賞なんだから中央競馬での成績を評価すべきと考えたのでしょう。しかし、過去にはその年に1回も中央で走っていないのに年度代表馬を受賞した馬がいるのです。その名はエルコンドルパサー。凱旋門賞の2着(勝ってすらいない)が評価されての受賞となりました。更に、中央の重賞を1勝もしていないのに最優秀ダートホースになった馬もいます。その名はゴールドアリュール。3歳G1(地方)2勝+東京大賞典が評価されての受賞となりました。なお、同馬はその年のジャパンカップダートに出走し5着に敗れていますが、それでもそのレースの勝ち馬を差し置いて受賞となりました。
こんな前例がある以上「JRA賞だから」という理由は理由になっていません。
一方、勝ったレースの価値について。
ドバイワールドカップは、これまで多くの日本馬が挑戦してきたレースであり、芝で言うところの凱旋門賞と変わりません。日本馬が優勝するのは2度目ですが、1回目はオールウェザーで行われており、ダートで優勝したのはウシュバテソーロが初めてです。しかも賞金は前述のとおり11億円です。レモンポップは、全部合計しても3億6千万円です。勝った数もレモンポップと同じで、直接対決はありません。ウシュバテソーロはブリーダーズカップで5着になり、日本馬デルマソトガケ(2着)に負けていますが、レモンポップもドバイで10着に敗れ、リメイク(5着)とレッドルゼル(6着)に負けています。「JRA賞だから」以外に、ウシュバテソーロが劣る点は全く見当たりません。
そもそも、JRAのダートG1にどれだけ価値があるのかと思います。フェブラリーステークスは最初に芝を100mも走る「欠陥コース」です。最近はレイティングの問題でG2に降格させられる可能性もあるとのことです。チャンピオンズカップについても、外国馬がまともに参戦してこず、ジャパンカップという名前を取り上げられたレースです。距離も1600mと1800mで近く、せめて2000mでやれよと思いますが、JRAでは阪神の欠陥コース(最初に芝からスタート)しかないので仕方ありません。この程度のレースが束になっても、ドバイワールドカップより上になることはありません。
更に、今年からはダート三冠路線が始まり、南関東三冠の羽田杯と東京ダービーが中央の馬にも開放されます。今まで以上に、中央のダート馬も地方に出て戦うことが前提の番組になるのです。そんな時代に、JRAのダート戦のみを重く評価する意味がどこにあるのでしょうか。最上位クラスの馬は地方や海外で走ることを前提に番組が組まれているのですから、JRAのレースだけで優劣を判断する方がおかしいと思います。何のための評価だと思います。
念のため言っておきますが、私はレモンポップが大したことないと言っているわけではありません。南部杯の大差勝ちは圧巻だったし、チャンピオンズカップも外枠や逃げ馬は不利と言われていたのを覆して快勝した強い馬だと思います。ただ、ウシュバテソーロと比較するとという話です。
レモンポップの受賞が当然のように言う人が多いですが、私は全く納得できません。失礼ながら20年くらい遅れていると思います。ダートレースに興味がないなら無理に投票しなくていいから邪魔はするなと言いたいです。
ついでに、これまでの納得できないJRA賞を挙げておきます。以前書いたものもあります。
2000年 最優秀4歳以上牝馬
ファレノプシスがエリザベス女王杯(牝馬限定戦)を勝っただけで受賞。それ以外は2戦してどちらも着外。対してファストフレンドは、牡馬を相手に帝王賞と東京大賞典を勝ち、その他G2を3勝(うち1勝は中央)、G1で3着2回、4着、5着1回ずつという成績。この年の獲得賞金はファレノプシスの倍以上。いくら地方のダートが軽く見られているとはいえ、これだけ実績が違うのに受賞できないのは全く意味不明。ちなみに最優秀ダートホースも別の馬が受賞しファストフレンドは無冠。
2013年 最優秀ダートホース
ベルシャザールがJCダートを勝っただけで受賞。他はG3の武蔵野ステークスを勝っているが、あとはオープン特別と条件戦を勝っているだけ。対してホッコータルマエは、G1級を4勝しており、他にG3級を3勝(うち1勝は中央)、残りも2着1回3着2回で、馬券圏内を外していない。直接対決でベルシャザールに負けているが、それを差し引いても圧倒的な実績だと思う。ただ、ホッコータルマエは翌年に最優秀ダートホースを受賞しているので、一応報われている。
2013年 最優秀4歳以上牡馬
オルフェーヴルが、有馬記念と大阪杯(当時G2)、そして凱旋門賞の2着で受賞。ここで問題になったのは、この年の年度代表馬が5歳牡馬ロードカナロアだったのに、最優秀4歳以上牡馬が違う馬になったということ。ちなみにロードカナロアはG1級4勝(1つは香港)、他はG3を1勝、G2で2着1回。「最優秀」という日本語の意味が分からなかった記者が多数いたいようで、勝手に解釈して違う馬に投票した悪しき前例となりました。今もルール上は可能だと思いますが、私は年度代表馬に投票した馬は、自動的にその馬がカテゴライズされる賞にも投票すべきだと思います。
とにかく、JRAが何らかの指針を示すか、投票する専門家が自主的に指針を定めてほしいです。意味不明な1票とか、イラっとさせられることが多すぎです。
最優秀4歳以上牡馬のイクイノックスや、最優秀3歳牝馬のリバティアイランドが満票ではないのもビックリ(他に馬に投票した記者は投票権をはく奪してほしい)ですが、とにかく気に入らないのが最優秀ダートホースです。
ある程度覚悟はしていましたが、レモンポップが受賞しました。ウシュバテソーロは特別賞でした。
思ったより差がつかなかった(166票と126票)のは一筋の光明ですが、それでもウシュバテソーロが最優秀ダートホースにならなかったのは、きわめて遺憾です。
レモンポップの23年の成績はG1を3勝(うち1勝は地方)、G3を1勝、着外1回(ドバイ)です。対してウシュバテソーロは、G1を3勝(海外1勝、地方2勝)、G2を1勝(地方)、5着1回(海外)です。G1級の勝利数は一緒です。海外の1勝はドバイワールドカップです。稼いだ金額は約11億円以上です。
レモンポップに投票した人は、おそらくJRA賞なんだから中央競馬での成績を評価すべきと考えたのでしょう。しかし、過去にはその年に1回も中央で走っていないのに年度代表馬を受賞した馬がいるのです。その名はエルコンドルパサー。凱旋門賞の2着(勝ってすらいない)が評価されての受賞となりました。更に、中央の重賞を1勝もしていないのに最優秀ダートホースになった馬もいます。その名はゴールドアリュール。3歳G1(地方)2勝+東京大賞典が評価されての受賞となりました。なお、同馬はその年のジャパンカップダートに出走し5着に敗れていますが、それでもそのレースの勝ち馬を差し置いて受賞となりました。
こんな前例がある以上「JRA賞だから」という理由は理由になっていません。
一方、勝ったレースの価値について。
ドバイワールドカップは、これまで多くの日本馬が挑戦してきたレースであり、芝で言うところの凱旋門賞と変わりません。日本馬が優勝するのは2度目ですが、1回目はオールウェザーで行われており、ダートで優勝したのはウシュバテソーロが初めてです。しかも賞金は前述のとおり11億円です。レモンポップは、全部合計しても3億6千万円です。勝った数もレモンポップと同じで、直接対決はありません。ウシュバテソーロはブリーダーズカップで5着になり、日本馬デルマソトガケ(2着)に負けていますが、レモンポップもドバイで10着に敗れ、リメイク(5着)とレッドルゼル(6着)に負けています。「JRA賞だから」以外に、ウシュバテソーロが劣る点は全く見当たりません。
そもそも、JRAのダートG1にどれだけ価値があるのかと思います。フェブラリーステークスは最初に芝を100mも走る「欠陥コース」です。最近はレイティングの問題でG2に降格させられる可能性もあるとのことです。チャンピオンズカップについても、外国馬がまともに参戦してこず、ジャパンカップという名前を取り上げられたレースです。距離も1600mと1800mで近く、せめて2000mでやれよと思いますが、JRAでは阪神の欠陥コース(最初に芝からスタート)しかないので仕方ありません。この程度のレースが束になっても、ドバイワールドカップより上になることはありません。
更に、今年からはダート三冠路線が始まり、南関東三冠の羽田杯と東京ダービーが中央の馬にも開放されます。今まで以上に、中央のダート馬も地方に出て戦うことが前提の番組になるのです。そんな時代に、JRAのダート戦のみを重く評価する意味がどこにあるのでしょうか。最上位クラスの馬は地方や海外で走ることを前提に番組が組まれているのですから、JRAのレースだけで優劣を判断する方がおかしいと思います。何のための評価だと思います。
念のため言っておきますが、私はレモンポップが大したことないと言っているわけではありません。南部杯の大差勝ちは圧巻だったし、チャンピオンズカップも外枠や逃げ馬は不利と言われていたのを覆して快勝した強い馬だと思います。ただ、ウシュバテソーロと比較するとという話です。
レモンポップの受賞が当然のように言う人が多いですが、私は全く納得できません。失礼ながら20年くらい遅れていると思います。ダートレースに興味がないなら無理に投票しなくていいから邪魔はするなと言いたいです。
ついでに、これまでの納得できないJRA賞を挙げておきます。以前書いたものもあります。
2000年 最優秀4歳以上牝馬
ファレノプシスがエリザベス女王杯(牝馬限定戦)を勝っただけで受賞。それ以外は2戦してどちらも着外。対してファストフレンドは、牡馬を相手に帝王賞と東京大賞典を勝ち、その他G2を3勝(うち1勝は中央)、G1で3着2回、4着、5着1回ずつという成績。この年の獲得賞金はファレノプシスの倍以上。いくら地方のダートが軽く見られているとはいえ、これだけ実績が違うのに受賞できないのは全く意味不明。ちなみに最優秀ダートホースも別の馬が受賞しファストフレンドは無冠。
2013年 最優秀ダートホース
ベルシャザールがJCダートを勝っただけで受賞。他はG3の武蔵野ステークスを勝っているが、あとはオープン特別と条件戦を勝っているだけ。対してホッコータルマエは、G1級を4勝しており、他にG3級を3勝(うち1勝は中央)、残りも2着1回3着2回で、馬券圏内を外していない。直接対決でベルシャザールに負けているが、それを差し引いても圧倒的な実績だと思う。ただ、ホッコータルマエは翌年に最優秀ダートホースを受賞しているので、一応報われている。
2013年 最優秀4歳以上牡馬
オルフェーヴルが、有馬記念と大阪杯(当時G2)、そして凱旋門賞の2着で受賞。ここで問題になったのは、この年の年度代表馬が5歳牡馬ロードカナロアだったのに、最優秀4歳以上牡馬が違う馬になったということ。ちなみにロードカナロアはG1級4勝(1つは香港)、他はG3を1勝、G2で2着1回。「最優秀」という日本語の意味が分からなかった記者が多数いたいようで、勝手に解釈して違う馬に投票した悪しき前例となりました。今もルール上は可能だと思いますが、私は年度代表馬に投票した馬は、自動的にその馬がカテゴライズされる賞にも投票すべきだと思います。
とにかく、JRAが何らかの指針を示すか、投票する専門家が自主的に指針を定めてほしいです。意味不明な1票とか、イラっとさせられることが多すぎです。