アキバ系ギャンブラーの賭け

ギャンブルで儲けてアニメに貢ぐという崇高(?)な目的のため、ありとあらゆるギャンブルに手を出すギャンブラーの日記

(アキバ系)感激の結果

2007-12-13 19:20:18 | アキバ系
 現在、ヤフーのクイックリサーチコーナーで、「アニメ映画の声優は人気タレントがいい?」という質問が出ています。
 ヤフーにニュースを提供している「J-CAST」という会社が、アニメ作品に有名タレントが多く起用されていることを記事にしており、それに関連してこのような質問が出されました。
 投票の締め切りは20日ですが、11日からスタートした現時点までの投票結果を参照することができます。選択肢は「人気タレント」「本職の声優」「どちらでもいい」「その他」の4つです。

 とにかく、私が「平成狸合戦ぽんぽこ」以降、ずっと心底気に入らなかった問題ですが、映画の(一般の人の)レビューを見ると、声優の演技について語られることは少なく(或いは、「○○の演技は思ったほど気に入らなかった」という声が多い)、結果を見るまでは、「どちらでもない」が一番多くなるのではないかと予想していましたが、その結果(途中経過)は、私の予想を大きく覆すものでした。

 「本職の声優」・・・85%
 「どちらでもいい」・・・13%
 「人気タレント」・・・3%
 「その他」・・・1%
 (割合は四捨五入してあるため、トータルが100%にならないことがあります)←これが理解できない人が多すぎるよ・・・

 これには驚きました。
 投票数は既に4万票を超えています。一人で2回以上アクセスすることはできない(パソコンの接続先を変えると投票できる)ため、一人で100票も投票した人は、おそらくいないと思います。
 今回のJ-CASTの記事では、珍しく「宣伝効果の大きさ」をタレント起用の理由としてあげていましたが、一部の関係者が挙げた「日頃声優の仕事をしていない人の方が、自然な感じが出て良い」という(タテマエの)考えは、一般の人には全然通用していなかったということです。
 恥も外聞もなく、タレント(私は「素人声優」と呼んでいます)の起用を乱発した結果、一般の人の信頼はすっかり失われてしまっていたということでしょう。

 とにかく、一般の人の耳が、とりあえず普通だったということについては安心しました。それでも、宣伝効果が抜群なのは間違っていませんから、今後も無茶なタレント起用は続くでしょうが、製作者の人にも少しはこの「声」の意味を考えて欲しいと思います。
 もちろん、私も「タレント起用の中にも、素晴らしい演技が出来る人がいる」ということ自体は認めます。しかし、そのケースはむしろレアケースに近く、「本職の声優より素晴らしい演技ができる」というケースは、激レアと言っても過言ではありません。タレント起用は、「良くてイーブン」というレベルであり、作品を楽しむ上でのプラス要素は非常に少ないので、私はタレント起用に反対しています。ただ、ゲスト出演という程度なら、大目に見てもいいのではないかと・・・。その上で、思ったよりいい演技が出来た人は、もっと上のクラスで演じるというケースが理想的だと思います。


 一方、このヤフーのリサーチは、自由にコメントを残すことができるのですが、一部妙なコメントが見受けられるので、ここで勝手に反論したいと思います。

 ○声優=アイドル声優のような萌え声しか出せない

 なんか、声優と言えば、いわゆる「変な声を出す人」と思いこんでいる人が多すぎです。
 もちろん、そういう人もいますが、普通の声で演技できる人も大勢います。いわゆるアイドル声優っぽい声を出せる人でも、一般向けのアニメでは普通の声を出していたりします。「ヤミと帽子と本の旅人」のリリス(ほぼ100%萌えキャラ)を演じた声優が、「ディー・グレイマン」の主人公アレン=ウォーカー(普通の男の子)を演じられるのですから・・・。今は深夜アニメにしか出ていない人でも、そのような演技をしていないだけで、実はやろうと思えばできるという人もいるはずです。
 或いは、三石琴乃がセーラームーンを演じていた頃は、彼女もアイドル声優という色眼鏡で見られていたと思うのですが、当時の人は、後に彼女がエヴァの葛城ミサトや、ガンダムSEEDのマリュー・ラミアス艦長といった大人の女性、そして、のび太のママを演じるようになると、誰が予想できたでしょうか。
 どちらにしても、アニメ映画でちゃんとした演技ができる声優が少ないということは、全く見当違いです。

 まあ、こう言う人は、アニメなんてほとんど見ない人が言っているのはほぼ間違いないでしょう。ある程度見ている人は、決してそうではないことは分かると思います。

 ○声優だって歌出してるじゃん

 声優が歌を出しても、それで他の人(本職の歌手)の歌がおかしくなることはありません。
 もちろん、1曲の歌を出すためには、作詞家がいて、作曲家がいてという感じで、一人で出すわけではないのですが、主役はあくまで歌手なんです。作詞家、作曲家も、その歌手のために歌を作るケースが多いということです。
 一方、アニメの声優は、(残念ながら)アニメ全体から見ると脇役と言っても良く、むしろ主役は原作者であり、監督であり、脚本家であるといっても良いと思います。しかし、ここに下手な声優を持ってくると、その全てがぶちこわしになるのです。「原作のファンだったのに、アニメは(声優のせいで)ひどいものだった」ということになりうるのです。
 ですから、「声優も歌を出している、だからタレントが声優をやっても問題がない」という理論は成立しません。

 しかし、声優が歌を歌うこと自体は、昔から行われていることです。
 有名どころでは、「あったまてっかて~か」という出だしの「ぼくドラえもん」は、大山のぶ代がドラえもんとして歌っています。これは、30年くらい前の歌です。他にも、20年くらい前に「新ビックリマン」というアニメがあり、それのCDを聴いたことがありますが、藤田淑子、千葉繁がキャラクターソングを歌っていました。オープニングも、主要キャラの声優が、キャラの声で歌ってますし・・・。
 ですから、歌を歌うことも、声優の仕事の一つとして認めてもいいと、個人的には思っています。

 ○若手声優の代表は平野綾?

 なんか平野綾を引き合いに出している人が多いのも気になります。

 平野綾は、現在若手では人気ナンバーワンと言ってもいい声優には違いありませんが、若手で一番上手いかと言われると、私は疑問に思わざるをえません。同じ20歳なら、喜多村英梨という声優の方が上手いと思います。彼女は、事実07年は13ものテレビ作品に出演。演技の幅も広く、萌えキャラ、ボーイッシュ、クールキャラから、男の子まで演じています。
 もちろん、平野綾も「20歳としては」上手い方だと思います。キャリアも浅く、まだまだこれからの声優なんですから、彼女を引き合いにして、50~60代の大ベテラン声優と比べるのは、あまりにも彼女が可愛そうです。

 ○昔の声優は味があった?

 先ほどの件に関連して、昔の声優は良かったという声があるのですが、これも私は疑問です。
 先ほども書いたように、50歳以上の大ベテラン声優と、まだ20代の若手声優を比べるのも問題だと思うし、それに加え、その大ベテラン声優が20代だったころ、その当時から「味がある演技」ができたのかと言うと、おそらく出来ていないです。
 CSチャンネルや、地上波のアニメ番組などで、昔のアニメを見ることができますが、凄く有名な作品でも「当時はこの演技で良かったのか」とおどろかされることが多々あります。「昔の声優は味があった」と思っている人は、おそらく大半が、昔を美化しすぎているだけだと思います。

 一方、現在も活躍する大ベテラン声優はどうか・・・。
 そもそも、その歳になっても声優として活躍できる人というのは、ある意味味がある演技ができて当然です。そうでなければ、とっくに別の仕事に移っているでしょう。

 ○それでも、声優の演技は不自然

 まあ、そんな意見はごく少数だということは証明されましたが、それでも書いている人がいるので、これについても意見を書きます。

 まず、声優も、自然に近い演技はできるということです。
 先日、声優顔出し番組に出演した矢島晶子は、幼少の女の子を演じる時に、その「自然に近い演技」で演じることがあります。しゃべり方が、素人声優が演じる時の声に近いので、始めて聴く時はドキッとさせられるのですが、そこは演技力のなせる業か、危なっかしそうで危なっかしくないのです。文字だけでは上手く言い表せませんが、素人声優が演じる「単に下手なだけの演技」とは、明らかに違います。
 全員が可能かと聞かれると何とも言えませんが、おそらく監督がそのような演技を求めていないだけではないかと私は考えています。もし、そのような演技を要求すると、演技力のある声優はちゃんと演技できるのではないでしょうか。

 一方、そのような「自然な演技」が必要かということです。
 そもそも、アニメ自体が、現実と比べると「不自然」と言わざるを得ないキャラクターが多いのです。どんなに現実に近づけようとしてもどうしても限界があります。そのようなキャラクターには、多少おおげさな感じのしゃべり方の方が、むしろしっくり来るのではないでしょうか。
 また、アニメで現実をそこまで忠実に表現する必要があるのかというのもあります。そこまでするのなら、最初から実写で取ればいいのではないでしょうか。

 少し厳しいことを言うと、声優の演技は不自然だと思う人は、実写ドラマの若手人気俳優の、下手な「声の演技」を自然な演技だと思いこんでいるだけなのでは・・・。

 ○声優は顔が分からないからいい

 今回の調査の元になった記事にも書かれているのですが、これまた同意できません。

 例えば、山寺宏一は顔もそれなりに知られている上、かなり特徴的な顔をしていると思いますが、彼が出演している作品を見ても、「山ちゃんの顔が浮かんで話に集中できない」ということがあるのでしょうか。
 「顔が浮かんで話に集中できない」のは、単に下手なだけではないかと思います。私はそんなケースがあまりないのですが、一度だけそれが気になったのが、宮崎アニメに出ていた小林薫の演技を聴いた時です。
 決して下手ではありません。滑舌などはしっかりしているし、抑揚も付いています。しかし、あまりに「小林薫」としてそのまま演じている感じなので、作品を見ていても「小林薫が演じているなあ」という印象が強烈に残りました。

 一方、これは多少ひいきが入っているかもしれませんが、普通の声優でそのようなケースになったことは、ほとんどありません。
 例えば、マジハロでお世話になったほっちゃんこと堀江由衣。彼女は可愛らしい顔も人気の声優で、私もよく存じ上げていますが、彼女は演じる時の声がほとんど変わらないという珍しい特徴があります。ここ数年も、数々のキャラクターを演じましたが、マジハロのアリスも含めて、演じている声色はほとんど同じです。萌えキャラを多く演じるアイドル声優でも、多少はキャラクターによって演じ方を変えていることが多く、ここまで一貫しているのは珍しいです(当然、多少はダークになったりという変化はありますが・・・)。
 しかし、ほっちゃんの顔どころか、別のキャラクターの顔すらかぶったことは一度もありません。
 普通、ワンパターンな声でしか演じられない声優は、次第に飽きられて、そのうち声優を止めてしまうか、別のキャラを模索するものだと思いますが、彼女の場合は、デビューして10年近く経過した今でも、一種のカリスマ的な人気を誇っています。上手く言えませんが、これも才能の一種ではないかと思うのです。

 話がごちゃごちゃして来ましたが、私は声優が顔出しするのは全く問題ではないと思います。顔が知られていることがマイナスになるのは、単にその人の、声優としての能力が足りないだけだと思います。

 ○先入観があるから下手に聞こえる

 これも、私の場合にはあり得ませんね。
 キャストを確認せずアニメを見ることもよくありますが、少しのセリフを聴いて強烈な違和感を感じたとき、そのキャストの名前を確認したら、まず確実に「有名人」か「新人」か「子役」です。
 もちろん、中にはスルーして気にならない人もいますが、それは合格点の評価が出来る演技だったということ。仮に始めからキャストが分かっていても、思ったより上手い人はそんなに気にならないし、下手な人はどうやっても下手にしか聞こえません。


 まあ、こうして意見も書いてみましたが、とにかく一般の人がここまで無謀なタレント起用に反感を持っている事に対しては、本当に嬉しく思いました。先日の声優顔出し番組の件も含めて、これだけの人が声優を応援してくれているのだということに対し、声優も自信を持って欲しいと思います。