アメリカについての虚飾のないレポート。
アメリカは基本的に自己中心的で,自国の世界観を全て善とみなし,自国の自由と正義を世界のそれとみなす国。国家はメディアを使って,そのように国民を管理している。
手軽で合理的なことを望み,金銭への執着は尋常でなく、莫大な軍事費と荒廃した教育,貧困な医療制度の並存,国民健康保険制度の不在,いまなお深刻な人種差別と人権侵害。
なんと,この国は国連の「子どもの権利条約」を批准していない。その理由は,この国が維持する子どもの死刑制度と同条約に書き込まれている未成年犯罪の処刑禁止条項と抵触するからだというのだから驚きだ。
ブッシュJr.以降,そして9・11テロ以降,アメリカはますますエキセントリックになったのは周知のこと。2001年には「アメリカ愛国法」が成立したそうだ。
とはいってもさすがはアメリカ。一縷の希望がないわけではない。大統領に報復戦争の権限を与える決議採択でバーバラ・リー下院議員が唯一反対票を投じ,多くの黒人に支持された。また,ワシントン,サンフランシスコなどでは報復戦争反対の大規模な平和集会が開催された。アメリカの草の根の運動に著者は期待を寄せている。
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