アフガニスタンのことが、相変わらず知られていません。正確な情報が報道されていません。
著者が日本にたまに戻ってくると「アフガンは落ち着きましたか?」などときかれ愕然とするそうです。そんなに報道がないのかと。
実態は米軍、英軍の介入でますます泥沼化しているそうです。診療所も閉鎖せざるをえなくなったところが出ているそうです。飢餓も拡大しているそうです。
食糧の確保、灌漑の普及、成果は徐々にでてきているというのがせめてものなぐさめです。米軍の空爆でタリバンが倒され「正義のアメリカ」により、アフガンに「自由とデモクラシー」がもたらされたかのような誤解が蔓延しています。そういう最中、国連の経済制裁があり、国民の困難は極まっているそうです。
著者の現地での医療と性格支援活動の鉄則は、「異なる文化・風習に接して単に『違い』でしかないものを『善悪や優劣』にわけてとらえないこと」、「制約された文化・風習の中で『その患者にとって最善のものは何なのか』を探り準備すること」だそうです。
教訓は「お金さえあれば幸せになれる」「武力があれば自分の身を守れる」というのはどちらも「迷信」の類だと著者は言っています。
実践家ゆえに、言葉に力があり、無駄がありません。
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