【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

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岩井浩・福島利夫・菊地進・藤江昌嗣編著『格差社会の統計分析』北海道大学出版会、2009年

2013-03-15 00:09:35 | 政治/社会

         

 格差社会の諸問題が、3編13章からなる諸論考で分析されています。その問題意識は、社会科学としての統計学の視点から、格差構造の実態を解明することにある、とされています。格差というと普通は、資産、所得、雇用のそれがすぐに頭に浮かびますが、本書はそれらはもちろんとりあげつつ、、他に年金、医療、健康などのそれについても論じ、意欲的な内容になっています。
 独自の実態調査、ミクロ・データやリサンプリング・データの利用と再分類・再集計によって新しい統計利用が検討されているのも特徴的です。


 第一編では「人口・労働」が、第二編では「生活・福祉」が、第三編では「地域・環境」がテーマとして取り上げられ、上記のようにそれを統計を使って分析、検討されています。詳細は以下のとおりです。

<第1編:人口・労働と統計>
「第1章:日本の人口動向と格差社会」(廣島清志)
「第2章:現代の失業・不安定就業・『ワーキング・プア』」(岩井浩)
「第3章:雇用労働者における年齢および所得水準による労働時間格差」(水野谷武志)
「第4章:労働者属性別にみた賃金格差の検討」(小野寺剛)

<第2編:生活・福祉と統計>
「第5章:税務統計にみる個人所得分布の二極化」(山口秋義)
「第6章:年金格差と高齢者の貧困」(唐鎌直義)
「第7章:医療制度改革による国民医療保障への影響」(鳴海清人)
「第8章:日本における世帯の土地利用」(田中力)
「第9章:格差・貧困社会と社会保障」(福島利夫)

<第3編:地域・環境と統計>
「第10章:地方自治体の政策形成と統計」(菊地進)
「第11章:格差社会の地域ガバナンスと地状学」(藤江昌嗣)
「第12章:健康の不平等」(藤岡光夫)
「第13章:地球温暖化問題における二酸化炭素排出格差」(良永康平)


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