【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

手紙文の魅力

2010-02-14 00:44:53 | エッセイ/手記/日記/手紙/対談
半藤一利『手紙のなかの日本人』文春新書、2000年

               

 親鸞、日蓮、織田信長、明智光秀、秀吉とおね、細川ガラシャ、大高源五、良寛、小林一茶、佐久間象山、吉田松陰、坂本龍馬、勝海舟と西郷隆盛、乃木静子、夏目漱石、永井荷風、山本五十六、小泉信三、香淳皇后の手紙が紹介されています。

 手紙は私信が主ですから、きどらない感情、いつわらない心情が吐露されるので、人柄が滲み出るものです。

 手紙という言葉は江戸時代まではなかった言葉、と書いてありました。それまでは書翰、消息、玉章(たまずき)、玉信、書状、往来などの名称であったそうです。

 目次にそれぞれの手紙から文章の引用がひとことあります。これがいいですね。坂本龍馬は「一人の力で天下動かすべきは、是また、天よりする事なり」、秀吉とおね「ゆるゆるだきやい候て、物がたり申すべく候」などなど。夏目漱石の書簡が面白い、端的な物言い。

 著者の半藤さんは、小泉信三が息子の信吉に出征のおりに宛てた、幻の名文と言われた書簡に感銘しています(そんなに美化していいのか? と一瞬思いました)。

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