【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

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前進座80周年公演五月国立劇場公演(「唐茄子屋」「口上」「秋葉権現廻船噺」)[国立劇場・大劇場]

2011-05-23 00:08:19 | 古典芸能

                  

 前進座は1931年に設立されました。今年が80周年です。
 記念の公演が国立劇場で開催されています。演目は「唐茄子屋」(一幕6場)と「秋葉権現廻船噺」(三幕7場)です。

 「唐茄子噺」は落語でおなじみの「唐茄子屋政談」を舞台化した、人気の世話物です。腰ぬけ若旦那と奮闘の顛末が描かれています。筋はおよそ次のとおり。

 日本橋の大店のひとり息子徳三郎(嵐芳三郎)は、道楽がすぎ、廓がよいの毎日で、勘当されました。伯父の六兵衛(村田吉次郎)は、女房のおとめ(いまむらいづみ)とともに心配しますが、本人は馬耳東風です。業を煮やした六兵衛は徳三郎に唐茄子売りを命じます。
 天秤棒に唐茄子を入れた篭をかつぎ、徳三郎は貧乏長屋に迷い込みます。徳三郎の事情に同情して長屋の人達は徳三郎の売る唐茄子を全部買ってくれたのですが・・・。徳三郎役の芳三郎がなよなよとして、笑わせてくれます。

 「秋葉権現廻船噺」は76年ぶりの上演です(創立メンバーが昭和9年に復活した宝暦歌舞伎「秋葉権現廻船噺」)。河内黙阿弥(1816-93)の「白波五人男」で知られる大盗賊、日本駄右衛門が戯曲に登場した古劇で、お家騒動に恋愛がからむ大活劇です。

 遠州月本家が東山家との結納の品として収めるはずだった家宝・紀貫之自筆の古今集一巻。東山家上使信濃之助(中村梅之助)が受け取るはずだったのが、盗まれます。これをたくらんだのは、月本祐明(藤川矢之輔)と大盗賊日本駄右衛門(嵐圭史)。彼らはお家を滅亡させて、天下をとりを狙っていたのです。
 この野望により、家老玉島逸当(山崎竜之介)は忠義の切腹。当主は落命し、月本家はお家断絶の憂き目にあいます。しかし、逸当の弟で、浪人だった玉島幸兵衛(嵐芳三郎)と若殿始之助(祐一郎)が仇打ちに立ち上がります。

 玉島幸兵衛らと対決する日本駄右衛門が大暴れし、そこに謎の女、お才(河原崎国太郎)が絡みます。

 「唐茄子屋」と「秋葉権現廻船噺」の間には口上が。第二世代の中村梅野助、嵐圭史はじめ、第三世代の藤川矢之輔、河原崎國太郎ら17名が裃すがたで挨拶。前進座の歴史にふれ、将来を展望しました。

 座席が花道に近かったので、臨場感を愉しめました。


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