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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

目でみる経済 ゆがむ日本経済① 中小企業 休廃業増える

2019-11-08 10:37:50 | 経済・産業・中小企業対策など
目でみる経済 ゆがむ日本経済① 中小企業 休廃業増える
日本経済においては、財界主導の「構造改革」のもとで大企業の利潤追求が最優先され、国民の暮らしや中小企業の営業が壊されてきました。公表されているデータをもとに、ゆがむ日本経済の現状を「目でみる経済ワイド」として検証します。



中小企業は「社会の主役として地域社会と住民生活に貢献」(中小企業憲章)する存在です。中小企業庁の2019年版中小企業白書もこう評価します。
「わが国の企業の99・7%は中小企業であり、雇用の約70%を創出しているなど、その存在感は非常に大きい」「わが国経済の根幹を担う存在と捉えることができる」
しかし大企業が拠点を海外に移す一方で中小企業の休廃業が増えています。








18年で1.6倍
東京商工リサーチの休廃業・解散企業動向調査によると、2000年以降、休廃業・解散の件数は右肩上がりで増えています。倒産件数は減る傾向ですが、それを上回る勢いで休廃業・解散が増え続けています。取引先に迷惑をかける倒産を回避するため、収益状況が悪化する前に廃業の準備をするよう中小企業庁は勧めます。休廃業・解散と倒産を合わせた件数は2000年の3万4727件から18年の5万4959件へ1・6倍に増えています。(グラフ①)東京商工リサーチは「休廃業・解散が増え続ける最大の要因は社長が高齢化し後継者がいないこと。しかし単に人口が減って後継者がいないのではない。ビジネスモデルに将来展望を見いだせないという問題が背景にある」と分析します。
廃業した企業の圧倒的多数は小規模企業です。12~16年に廃業した企業を規模別にみると、75・8万社(構成比90・9%)が小規模企業、7・5万社(9%)が中規模企業です。大企業は0・1万社(0・1%)にすぎません。(グラフ②)廃業の理由は「経営者本人の高齢化・健康上の理由」が最多ですが、「業績の悪化(事業の見通しが立たない)」をあげた経営者も46・1%にのぼりました。(グラフ③)






海外移転で
中小企業白書は、中小企業を取り巻く経済・社会の構造変化として①人口減少②デジタル化③グローバル化―をあげ、特に「労働集約的な工程は人件費の安価な新興国への移転が進められた」と指摘します。機械類、輸送機器、化学製品、雑製品の輸入額が過去30年間に4・2~7・5倍に伸び、価格が下がって国内の中小企業との競合が激化したと分析しています。
日本の企業数は1999年の485万から2016年の359万へ126万も減少し(26%減)、うち118万が小規模企業でした(グラフ④)。他方、日本の対外直接投資残高は2000年末の2785億ドルから18年末の1兆6459億ドルへ、6倍に増えました(グラフ⑤)。大企業の無責任な海外移転を後押しし、中小企業の活動基盤を掘り崩してきた政治の責任は重大です。(杉本恒如)
(つづく)(5回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年11月5日付掲載


わが国の企業の99・7%は中小企業であり、雇用の約70%を創出しているなど、その存在感は非常に大きい。
しかしその生産基盤や収益が悪化している実態があります。
その重要な要因に、大企業の海外への生産拠点の移転があげられます。


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