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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

SDGs実現目指して④ 政策と行動 変革必要

2021-07-12 07:06:04 | 政治・社会問題について
SDGs実現目指して④ 政策と行動 変革必要
駒澤大学名誉教授・小栗崇資さん

SDGs(持続可能な開発目標)を推進するためには、図のように変革を目指す政策と行動が必要となります。SDGsは目標とターゲットだけが設定されているので、どのようにそれらを実現するかについての体制や政策、行動計画が求められます。基本となる政府の取り組みが不明確なままSDGsが推奨されていますが、それでは個人や民間に行動変容を求めるだけのものになってしまいます。
また、欧州連合(EU)のように、SDGsを推進するための法律や基準の制定が行われなければ、企業等の取り組みはビジネスチャンスを得るだけの都合の良いものになりかねません。日本においては、政府の施策や経団連の方針がゆがんだSDGs像を作り出しており、このままでは日本のSDGsは「SDGsウオッシュ」(うわべだけのSDGs)へと変質していく危険があります。日本政府には早急に法的な枠組みやSDGs推進政策を作るよう要求していかねばなりません。





国会前で気候変動対策を訴えるスウエーデンの環境活動家、グレタさん(中央)=7月2日、ストックホルム(ロイター)

英知を結集し
企業にどのような取り組みを求めるかは、SDGsの実現を左右する重要なテーマです。取り組むべき課題を列挙すると次のような点となります。
温室効果ガス削減、再生可能エネルギーへの転換、廃棄物の削減・再生、持続可能な産業化の促進、持続可能な生産・消費の確保、ジェンダー平等の達成、ディーセントワークの実現、同一労働同一賃金、不安定雇用の改善、安全・安心な労働環境、汚職・贈賄の防止など。
こうした目標はいずれも企業の責任ある取り組みなしには実現しませんが、それらを方向づける政府の政策・法律とそれにもとつく規制が不可欠です。SDGsのための政策と企業の先進的な取り組みが結びつくことで、日本経済の軌道が持続可能な経済成長の方向に転換していくと考えられます。そのためには、財政・金融の抜本的な改革も求められ、そのための英知を結集した検討が必要です。

企業への規制
企業の取り組みが「SDGsウオッシュ」とならないためには、企業の行動に変革が求められます。それにはEUのような企業への規制が必要です。
企業がSDGsを推進するための基盤として要請されるのは、「企業における人権の順守」「ステークホルダー(利害関係者)のための経営」「気候変動の対策」「ESG(環境・社会・ガバナンス)情報の開示」に関する法や規制です。いずれも相互に深く関連しています。人権の順守は、企業に関わるすべてのステークホルダーが対象になりますし、EUのデューデリジェンス法のように人権と環境は深く結びついています。また企業の社会と環境への姿勢はESG情報として開示されなければなりません。そのような法や規制を基盤にして、企業が積極的にSDGsに取り組むようになれば、企業の姿勢は変わっていくと考えられます。
そうしたSDGsの取り組みが企業において行われることになれば、「企業の変革」は漸進的ではあっても進むと考えられ、それは「経済の変革」にもつながるものとなります。
そのためには運動の側が、本来のSDGsのための政策や行動を提起し、政府や企業にその実現を迫っていかねばなりません。私たちはSDGsの弱点についての改善を図りつつ、SDGsを「世界変革」の大義として位置づけ、その実現に取り組んでいくことが求められます。(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年7月9日付掲載


企業の取り組みが「SDGsウオッシュ」とならないためには、企業の行動に変革が求められます。
そのためにも、「気候変動の対策」「ESG(環境・社会・ガバナンス)情報の開示」などへの企業の責任ある関与が求められます。
企業の「社会的責任」、政府の「企業への社会的規制」です。

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