きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

巨大電通の漆黒① 元社員に聞く(上) 新入社員は奴隷

2020-09-17 08:03:34 | 政治・社会問題について
巨大電通の漆黒① 元社員に聞く(上) 新入社員は奴隷
高橋まつりさんの過労自殺事件に象徴されるパワハラ企業体質、持続化給付金の委託事業をめぐる税金の「中抜き」疑惑…。今、大手広告代理店の電通をめぐるさまざまな問題が噴出しています。電通OBはじめ、関係者の話からその実相に迫ります。第1、2回は、電通を2012年に退職し、電通の企業体質を「日本の闇」として告発している元社員(41)の証言を上、下で掲載します。

2015年12月、当時電通社員だった高橋まつりさんが自死しました。それを知ったとき、「僕がまつりさんを殺した」と自責の念にかられました。僕が電通のあしき文化をもっと社会に発信していれば、まつりさんも電通を選ばなかったかもしれない、そう思うと悔しくてたまりません。
01年に電通へ入社後、最初に配属されたのはローカル業務部という、地方テレビ局を担当する部署です。
新入社員のころは、素晴らしい会社だと期待して入社しましたが、そこは地獄でした。



電通本社ビルのロゴマーク=東京都港区

暴力の横行
電通の新入社員は奴隷です。部長に近づくことはおろか、目を見ることさえも許されない、そんな雰囲気でした。まるでホストクラブのホストのように、ひざまずいて部長のたばこに火をつけるんです。
先輩からの暴力も日常茶飯事でした。一つ年上の指導担当の先輩から「おい、おまえ」と呼ばれ、「はい」とそっけなく答えた時です。反抗的な態度が気に入らなかったのでしょう。
「はーーっ?」という怒鳴り声と同時に後ろから思いっきり殴られました。全治3週間のけがを負い、打ち所が悪ければ半身不随になっていたと、医者からは言われました。慰謝料などは一切ありません。
ですが、周囲からは「反抗したおまえが悪い」という目で、僕はずっと見られていました。
警察へ行き刑事事件にしようとしましたが、社内で神様のように扱われていた部長が「それだけはやめてくれ」と、自分の目の前で土下座のように謝ってきたんです。結局、他の部署への異動を条件に刑事事件にはしませんでしたが、僕が黙ったがために、高橋まつりさんの事件が起きてしまったと後悔しています。
同期の中には、あばらに膝蹴りを受け、骨にヒビが入った人もいました。飲み会の席で先輩へのお酌が数秒遅れたことが理由です。「ビールもつげねえやつが電通マン名乗ってんじゃねえよ」と。
超タテ社会で、パワハラは当たり前という文化です。そういう人たちが後輩をたたいているのを見て、僕は泣きそうになりました。あしき文化というのは連鎖していくんだなと。

悪事に特権
家に帰れず、会社に寝泊まりするのが当たり前の日々でした。入社2年目の02年に、本社が汐留の新社屋に移転し、入退館の記録がフラッパーゲートという門で管理されるようになりました。要は、それと実際の残業記録に乖離(かいり)があれば、労働基準監督暑から注意がくるわけです。だから、フラッパーゲートに退館時刻がつかないように、抜け道を使って帰宅するよう先輩から指導されました。
そんな電通が社会的制裁を受けないのは、メディァの側に社会的付度(そんたく)があるからでしょう。僕の先輩が痴漢で捕まったとき、名前も肩書も報道されませんでした。完全にオブラートに包まれていたんです。おかしいと思った僕は、先輩に「電通の社員が痴漢したのに、なんで電通の誰々が痴漢したって報道されないんですか?」と聞きました。すると先輩はこう言ったんです。
「いやいや、おまえばかじゃねえの。これが電通の特権だろう。俺たちは悪事をはたらいても守られてるんだよ。それが俺たちの特権なんだよ」
(つづく)(全5回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年9月15日付掲載


電通での新入社員への暴行。自衛隊の新入隊員へのいじめと同類。
電通社員の特権。警察に逮捕されても、メディアには出てこない。

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