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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

東日本大震災・原発事故10年 被災地から③ 住まい 膨らむ家賃が苦しめる

2021-03-11 07:43:05 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
東日本大震災・原発事故10年 被災地から③ 住まい 膨らむ家賃が苦しめる
宮城・石巻

全住居の76・6%にあたる5万6000軒が損壊する最大規模の被害が出た宮城県石巻市。復興公営住宅に入居でき、「やっと落ち着けた」と安堵していた入居者たちがいま、家賃や高齢化の問題で苦しんでいます




段階的アップ
宮城県全体の復興公営住宅1万6000世帯のうち、石巻市は4400世帯と3割近くを占めています。
「家は津波で完全になくなり、当初は屋根があればどんな家でもいいと思っていましたが、やっぱり家賃負担は重いです」と語るのは、同市の復興公営住宅に入居している佐藤国子さん(77)です。小学校で働いていた佐藤さんは厚生年金が収入扱いとなり、平均より4千円ほど高い2万1000円の家賃を負担しています。
5年前に見つかったがんによって胃の3分の2を切除し、定期的に検診を受けている佐藤さん。「医療費も消費税も上がって出費ばかり増える中で、少ない年金で家賃が膨らむのはつらいです」と話しました。
石巻市で深刻化しつつあるのは、一定以上の所得がある世帯(収入超過者)の負担増です。
収入超過者の家賃は、入居4年目から段階的に民間業者の賃貸と同水準まで引き上げられます。仙台市では、1万9300円だった家賃が9万9400円と、5倍に上がった例もあります。
石巻市は独自に家賃の据え置き期間を延長しているため、引き上げが始まるまでに、入居から8年の猶予があります。しかし、据え置き期間を終える入居者は、今後増えていきます。



宮城県石巻市の復興公営住宅

出て行く若者
自宅が全壊し、妻子とともに復興公営住宅に入居している男性(60代)は、子どもが卒業して働くようになり、再来年から年2万円ずつ家賃が上がる見込みです。「ついの住み家のつもりでしたが、早めに安いアパートへ引っ越すことも考えています」
石巻市の復興公営住宅の高齢化率(65歳以上)は44・9%です。男性は「ただでさえ高齢化で見回りやコミュニティーの維持が大変なのに、働く若い世代ほど“収入超過”で出ていかなければならない仕組みはおかしい」と話します。
震災前は1800世帯だった市の公営住宅は、現在6200世帯と、3倍以上になっています。
日本共産党の三浦一敏宮城県議は、「惨事便乗型の大型開発にだけ突き進み、県営住宅を1軒もつくらず自治体に復興公営住宅を丸投げした、宮城県の被災者目線の欠如は大きな問題です」と指摘します。
(高橋拓丸)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年3月6日付掲載


宮城県の場合は、県が災害復興公営住宅を造らなかった分、市町村ががんばりました。
それでも、入居後、一定の収入のある世帯は家賃がアップします。高齢者には負担です。
一方、家賃を負担できる若年層は収入超過で公営住宅を退去しないといけないくなる。

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