検証 失われた30年 岩渕友参院議員の論戦に見る(下) 大企業減税中毒の政権
大企業から巨額の献金を受け取っている自民党は、大企業に巨額の減税をばらまき、そのツケを国民に回してきました。岸田文雄政権は産業競争力強化法改定案の中で、新たな減税ばらまき制度をつくろうとしています。その名は「戦略分野国内生産促進税制」です。
国内投資促進
これは、政府が「戦略分野」と定める①脱炭素化(GX)②デジタル化(DX)③経済安全保障1の3分野で「国内投資を促進する」ため、生産・販売量に比例して10年間の法人税減税を行う制度です。年度当たり最大2190億円、10年間で1・9兆円もの減税になります。
対象商品と法人税減税額について政府は▽電気自動車1台当たり40万円▽燃料電池車1台当たり40万円▽半導体1枚当たり1・6万円―などの例をあげています。
5月30日の参院経済産業委員会で同税制を取り上げた日本共産党の岩渕友議員は「(商品を)作れば作るほど法人税が減税される異例の税制だ」と指摘。対象商品を生産・販売し、減税が見込まれる主な事業者は「名だたる大企業ばかりだ」と強調しました。
「戦略分野国内生産促進税制」対象商品の生産・販売業者
国立国会図書館の回答資料から岩渕友事務所作成
税制ゆがめる
さらに、自民党の政治資金団体である国民政治協会への過去10年間の企業献金額を突きつけ、「こうした企業・団体献金が異例の減税につながっているのではないか。献金のキックバックや見返りともみられる」と畳みかけました。
主な関連企業・団体による国民政治協会への政治献金額(円、2013~22年合計)
官報「収支報告書の要旨」から岩渕友事務所作成
斎藤健経済産業相の弁明は「政策上必要なことについてきっちりと法律をつくり、税制をつくって、その結果、優遇措置を受けられる者が選ばれていく」というもの。しかし、自民党に巨額の献金をしてきた大企業が新たな減税制度の対象になる、という事実を否定できませんでした。
過去10年間に自公政権は度重なる大企業減税の一方で2度の消費税増税を強行し、消費と経済を冷え込ませました。累次の法人税減税は「意図した成果を上げてこなかった」(2024年度「税制改正大綱」)と自公両党も認めています。ところが岸田政権は「めりはりをつける」と称して新たな大企業優遇税制を打ち出しているのです。もはや“大企業献金依存症”と表裏一体の“大企業減税中毒”です。
岩渕氏は「献金の実態をみれば、献金と政策が関係ないとはいえない」と批判。「税制をゆがめるような仕組みは改めるべきだ。企業・団体献金は禁止することが必要だ」と主張しました。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年6月13日付掲載
5月30日の参院経済産業委員会で同税制を取り上げた日本共産党の岩渕友議員は「(商品を)作れば作るほど法人税が減税される異例の税制だ」と指摘。対象商品を生産・販売し、減税が見込まれる主な事業者は「名だたる大企業ばかりだ」と強調。
累次の法人税減税は「意図した成果を上げてこなかった」(2024年度「税制改正大綱」)と自公両党も認めています。ところが岸田政権は「めりはりをつける」と称して新たな大企業優遇税制を打ち出しているのです。もはや“大企業献金依存症”と表裏一体の“大企業減税中毒”。
岩渕氏は「献金の実態をみれば、献金と政策が関係ないとはいえない」と批判。「税制をゆがめるような仕組みは改めるべきだ。企業・団体献金は禁止することが必要だ」と主張。
大企業から巨額の献金を受け取っている自民党は、大企業に巨額の減税をばらまき、そのツケを国民に回してきました。岸田文雄政権は産業競争力強化法改定案の中で、新たな減税ばらまき制度をつくろうとしています。その名は「戦略分野国内生産促進税制」です。
国内投資促進
これは、政府が「戦略分野」と定める①脱炭素化(GX)②デジタル化(DX)③経済安全保障1の3分野で「国内投資を促進する」ため、生産・販売量に比例して10年間の法人税減税を行う制度です。年度当たり最大2190億円、10年間で1・9兆円もの減税になります。
対象商品と法人税減税額について政府は▽電気自動車1台当たり40万円▽燃料電池車1台当たり40万円▽半導体1枚当たり1・6万円―などの例をあげています。
5月30日の参院経済産業委員会で同税制を取り上げた日本共産党の岩渕友議員は「(商品を)作れば作るほど法人税が減税される異例の税制だ」と指摘。対象商品を生産・販売し、減税が見込まれる主な事業者は「名だたる大企業ばかりだ」と強調しました。
「戦略分野国内生産促進税制」対象商品の生産・販売業者
EV(電気自動車) | トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業など |
FCV(燃料電池自動車) | トヨタ自動車など |
軽EV、PHEV(プラグインハイブリッド車) | 三菱自動車、日産自動車など |
グリーンスチール | 日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所など |
グリーンケミカル | 旭化成、三菱ケミカル、住友化学など |
SAF (持続可能航空燃料) | 三井物産、伊藤忠商事、三菱商事など |
半導体(マイコン、アナログ) | 三菱電機、富士電機、ロームなど |
税制ゆがめる
さらに、自民党の政治資金団体である国民政治協会への過去10年間の企業献金額を突きつけ、「こうした企業・団体献金が異例の減税につながっているのではないか。献金のキックバックや見返りともみられる」と畳みかけました。
主な関連企業・団体による国民政治協会への政治献金額(円、2013~22年合計)
自動車(EV、FCV、PHEV) | |
トヨタ自動車 | 6億1520万 |
日産自動車 | 3億4600万 |
本田技研工業 | 2億5000万 |
三菱自動車 | 1億4570万 |
グリーンスチール | |
日本製鉄 | 3億1100万 |
グリーンケミカル | |
旭化成 | 1億5134万 |
住友化学 | 3億7800万 |
SAF | |
三井物産 | 2億7300万 |
伊藤忠商事 | 2億4300万 |
三菱商事 | 2億7300万 |
半導体 | |
三菱電機 | 1億9100万 |
業界団体 | |
日本自動車工業会 | 7億9920万 |
日本鉄鋼連盟 | 6億6000万 |
石油化学工業協会 | 1億4500万 |
石油連盟 | 5億7000万 |
日本電機工業会 | 7億7000万 |
斎藤健経済産業相の弁明は「政策上必要なことについてきっちりと法律をつくり、税制をつくって、その結果、優遇措置を受けられる者が選ばれていく」というもの。しかし、自民党に巨額の献金をしてきた大企業が新たな減税制度の対象になる、という事実を否定できませんでした。
過去10年間に自公政権は度重なる大企業減税の一方で2度の消費税増税を強行し、消費と経済を冷え込ませました。累次の法人税減税は「意図した成果を上げてこなかった」(2024年度「税制改正大綱」)と自公両党も認めています。ところが岸田政権は「めりはりをつける」と称して新たな大企業優遇税制を打ち出しているのです。もはや“大企業献金依存症”と表裏一体の“大企業減税中毒”です。
岩渕氏は「献金の実態をみれば、献金と政策が関係ないとはいえない」と批判。「税制をゆがめるような仕組みは改めるべきだ。企業・団体献金は禁止することが必要だ」と主張しました。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年6月13日付掲載
5月30日の参院経済産業委員会で同税制を取り上げた日本共産党の岩渕友議員は「(商品を)作れば作るほど法人税が減税される異例の税制だ」と指摘。対象商品を生産・販売し、減税が見込まれる主な事業者は「名だたる大企業ばかりだ」と強調。
累次の法人税減税は「意図した成果を上げてこなかった」(2024年度「税制改正大綱」)と自公両党も認めています。ところが岸田政権は「めりはりをつける」と称して新たな大企業優遇税制を打ち出しているのです。もはや“大企業献金依存症”と表裏一体の“大企業減税中毒”。
岩渕氏は「献金の実態をみれば、献金と政策が関係ないとはいえない」と批判。「税制をゆがめるような仕組みは改めるべきだ。企業・団体献金は禁止することが必要だ」と主張。
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