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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

けいざい四季報 2024 Ⅱ ② 国内景気 利益最優先の弊害 鮮明に

2024-06-27 07:11:08 | 経済・産業・中小企業対策など
けいざい四季報 2024 Ⅱ ② 国内景気 利益最優先の弊害 鮮明に

【ポイント】
①名目賃金が上昇するものの物価上昇には及ばず。実質消費は伸び悩み景気は低迷
②円安の進行などを追い風に大企業は軒並み過去最高益を更新。内部留保も最高額
③自動車大手5社で型式指定の認証不正が発覚。背景に人員不足や開発期間の短縮

2024年1~3月期国内総生産(GDP)は改定値で上方修正されたものの年率1・8%の減少でした。マイナス成長にとどまった最大の原因は個人消費の低迷です。日本経済に影響を与えるほど国民生活が逼迫(ひっぱく)する一方、大企業は軒並み過去最高益を更新しています。

実質賃金減少
4月の実質賃金は前年同月にくらべ0・7%の減少でした。実質賃金の減少は25カ月連続で過去最長を更新しました。名目賃金は同2・1%の上昇だったものの、消費者物価指数の上昇率は2・9%だったためです。
企業物価、消費者物価とも高い水準の伸びを記録しています。帝国データバンクのまとめによると、食品主要195社が行った6月の飲食料品値上げは614品目を数えます。大規模な値上げラッシュとなった前年同月の3775品目に比べて大幅に減少しましたが、すでに高い水準からの値上げです。
値上げの要因は原材料価格の高騰と異常円安です。とりわけ円安はアベノミクスの「異次元の金融緩和」を日銀が続けてきた結果です。


【国内経済の主な出来事(4月~6月)】
4/1消費税導入から35年
4/102023年の企業物価2.3%上昇
4/12日銀「生活意識調査」で83.3%1年後の物価上昇を予想
4/192023年度消費者物価2.8%上昇
4/26日銀が金融緩和継続を決定
4/29東京外為市場で一時1ドル=160円台
5/8トヨタが3月期決算で営業利益兆3529億円。円安が追い風に
5/14シャープが液晶パネルを製造する堺工場の停止を発表
5/29日銀の保有国債含み損が9.4兆円
6/3企業内部留保が537兆円
6/3国交省がトヨタなど5社で認証不正が判明したと発表
6/54月の実質賃金が25カ月連続減
6/101~3月期GDP年1.8%減
6/14日銀が国債購入減額を決定
6/212月の消費者物価指数が前年同比2.5%上昇


内部留保最大
国民生活を苦しめている円安が、大企業に最高益をもたらしています。自動車大手7社の24年3月期決算は営業利益や純利益で過去最高を更新するケースが相次ぎました。
トヨタ自動車は本業でのもうけを示す営業利益が前期比96%増の5兆3529億円を記録。日本企業として初めて5兆円台の大台に乗せました。
スズキも過去最高の利益を計上。両社とも円安が利益を押し上げました。
自動車だけでなく、損害保険や商社も最高益を記録しています。三菱商事は、円安で利益を700億円増やし、同期の純利益で最高益だった前年に次ぐ9640億円をあげています。
1~3月期の財務省「法人企業統計」によると資本金10億円以上の大企業(金融・保険業を含む)の内部留保は537・6兆円と過去最大を更新しました。



完全子会社のダイハツ工業による試験認証手続きの不正について記者会見に臨むトヨタ自動車の豊田章男会長=2023年5月8日、バンコク(ロイター)

不正が相次ぐ
ダイハツ工業などの型式認証不正問題を受け、自動車メーカーに求めた社内調査で国土交通省は、トヨタ自動車など5社で不正が判明と発表しました。型式認証制度は、新車の販売に際して安全・環境性能と品質の均一性について国土交通省の審査を受ける制度です。審査に合格して型式を指定されると1台ずつの検査を省いて同じ型式の車を大量生産・販売できます。しかし、自動車メーカーは規定の試験を行っていませんでした。
マツダの場合、生産中の2車種の出力試験でエンジン制御ソフトを書き換えていました。トヨタは認証試験の一部を完成車で行わずに、開発段階の試験データを無断で提出していました。
不正の背景には短期開発を強いられていることと、人員の削減があります。利益を最優先する体質から安全最優先に改めなければなりません。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年6月26日付掲載


4月の実質賃金は前年同月にくらべ0・7%の減少でした。実質賃金の減少は25カ月連続で過去最長を更新。名目賃金は同2・1%の上昇だったものの、消費者物価指数の上昇率は2・9%だったため。
トヨタ自動車は本業でのもうけを示す営業利益が前期比96%増の5兆3529億円を記録。日本企業として初めて5兆円台の大台に。
スズキも過去最高の利益を計上。両社とも円安が利益を押し上げ。
ダイハツ工業などの型式認証不正問題を受け、自動車メーカーに求めた社内調査で国土交通省は、トヨタ自動車など5社で不正が判明と発表。
開発段階の試験データを完成車に流用。まさに安全性が問われる問題です。


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