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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

「ずるい言葉」使っていたかも… 言われた方は傷つき「モヤモヤ」 弱者を黙らせる圧力に

2021-04-06 07:27:34 | 赤旗記事特集
「ずるい言葉」使っていたかも… 言われた方は傷つき「モヤモヤ」 弱者を黙らせる圧力に

人から言われた一言にモヤモヤしたり、「よかれと思って」発した言葉から気まずくなってしまったり…。社会学者・早稲田大学准教授で著書『10代から知っておきたいあなたを閉じこめる「ずるい言葉」』が話題の森山至貴さんに、こうした言葉の問題点や対処法を聞きました。日恵野香記者

学生から寄せられる悩みに応える

社会学者・早稲田大学准教授 森山 至貴さん

もりやま・のりたか=早稲田大学文学学術院准教授。著書に『10代から知っておきたいあなたを閉じこめる「ずるい言葉」』(WAVE出版)など

日々、さまざまな学生から「こんなことを言われて傷ついた」「モヤモヤした」との悩みが寄せられます。どの悩みにも共通するのが、強者が弱者を都合よくコントロールしようとする「ずるさ」の存在です。「これは弱者を黙らせる差別でもあることに私たちが気づき、やめなければならない」という思いで、本に「モヤモヤする言葉」29例を解説しました。
(次項)


そんな言い方じゃ聞き入れてもらえないよ
正しいことであっても、言い方が悪ければ聞き入れなくてもかまわない、という意味になります。今の社会での力の強い立場と弱い立場の間にある不均衡に沿って、「お願いする側」と「聞き入れる側」という役割が固定することで、理不尽にあらがう声を封じてしまう危険性があります。
フェミニズムや性的少数者などの社会運動は「口の利き方がなっていない」という多数派の難癖をはねかえし、権利を獲得してきました。


あれもこれもダメなら、もう何も言えなくなる
本当に、他に何も言えることがありませんか?これでは他人を傷つけてでも「今まで通り何かを言いたい」という態度表明にすぎません。他者の性別や見た目、ふるまいへの失礼な「評価」や話題を避けたとしても、他に適切な話題はたくさんあるはずです。

傷ついたのも、いい経験だったんじゃない?
過去の経験をどう意味づけるかは、本人が決めるものです。受け止める側が「もう終わったこと(だから自分とは関係ない)」と都合よく解釈し、美談にしてはいけません。

悪気はないんだから許してあげなよ
傷つけた側の意図や事情を優先した、「あなたが勝手に傷ついただけで、本当はあなたの傷より大事な事情がある」というメッセージになりかねません。悪気がないことは、許す理由になりません。あなたが第三者なら傷ついた人に寄り添い、傷つけた側なら素直に謝りましよう。

昔はそれが普通だったのに
今、「それ」が普通でなくなったのは、昔にも「それ」を「普通のことであってはいけない」と考えて行動した人たちがいたからです。単なる時の流れのせいではありません。

もしこれらの言葉を言ってしまったと気づいたら、時間がたっていても謝り、「今後は気をつけます。もしまた同じことをしてしまったら、指摘してください」と、自分自身を変える決意と、相手の言葉に耳を傾ける姿勢を表明できるといいですね。




自問する習慣
一日の終わりや、一人で落ち着けるときに「今日の私は、自分の過ちやずるいところを認めて『ごめん』と言いたくないがために、引っ込みがつかなくて何か言ったりしたりしなかっただろうか」と自問する習慣をつけましょう。
はじめのうちは自分のずるさを見つめるのはつらいものですが、だんだんと「いま、引っ込みがつかなくて反発しようとしたのを抑えられた」という成功体験が増えて、むしろ自尊心は高まるはずです。
私自身も、人に何か言われた時は、返事をする前に一呼吸おいて「今、相手の苦しさよりも自分の都合を優先しようとしていないか」と自問するように心がけています。
困っている人が声を上げた時に、冷笑し、黙らせようとする人には「黙りませんからね」と対抗していきたいものですが、聞く耳を持たない人と関わるのは気力体力が必要です。説得をせずに、相手から離れるのも手段の一つとして認められるべきです。その時は自分を責めず「私には正当性がある」と知った上で逃げてほしいです。
「モヤモヤ」は、「自分と世界にはまだ正しくないところがある」と気づくための手がかりです。「どうしてだろう?」と考えることで、自分も世界も、少しずつ正しくなっていけます。これって、希望に満ちていると思いませんか。

「しんぶん赤旗」日曜版 2021年4月4日付掲載


「言葉」の一言ひとことによって相手を傷つけたり、励ましたりするものです。
その発言には、ともすれば主観に依存することがあるものです。
自分が相手の立場だったらと想像する余裕、包容力が必要なのですね。


イルカの歌に「思い出と言う名の妖精(フェアリー)」があります。
「悲しい歌は 歌わない
歌は命を持っていて 歌っているうちに力をもつから
光に満ちた歌を 歌いたい
でも時々 悲しい歌を創るのは
淋しい あなたの心の近くに居たいから…」


まさに、命をもった言葉(ことは)を発したいものです。

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