きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

笹子トンネル崩落 点検会社任せ 国が責任放棄

2012-12-09 22:24:51 | 総選挙(2012年)
笹子トンネル崩落 点検会社任せ 国が責任放棄

国民の多くが利用する高速道路で前代未聞の大惨事―。中央自動車道のトンネルで天井が崩落し、車3台が下敷きになり9人が死亡しました。事故原因の究明はこれからですが、事故にかかわるいくつかの重大な問題点が浮上してきました。取材班

事故は2日午前8時ごろ、山梨県大月市と甲州市にまたがる中央自動車道の笹子トンネル上り線で起きました。トンネル最上部からつりさげられていた1枚1トン超のコンクリート製天井板が約330枚、約130メートルにわたり落下しました。
天井板はトンネル最上部からつりさげる「つり金具」ごと落下。「つり金具」とトンネル最上部を固定するボルトも一部で抜け落ちていました。
1977年のトンネル開通以来、ボルトやつり金具は一度も交換されていませんでした。老朽化でボルトやコンクリートに何らかの問題があったとみられています。




基本は目視だけ
問題の一つは、保守・点検です。
中央自動車道の管理者である中日本高速道路会社は崩壊した天井部分に
ついて、点検マニュアルに基づいた目視以外の検査はしなかったと説明。老朽化を見過ごした疑いが浮上しています。
開通から30年以上もたっているにもかかわらずなぜ、金づちでたたいた音の響きでコンクリートの腐食などを探る「打音検査」などをしなかったのか―。
そもそも保守・点検には法的な義務付けがありません。
もともと高速道路の管理者は国交相で国が責任を負うべき道路。にもかかわらず、国は保守・点検を高速道路会社まかせにしていました。
国交省は保守・点検について「点検保守要領を定めて実施する」との通達(1974年)を出す
のみで、道路管理者がどのようなマニュアルを作成し、どのように実施しているかの確認もしていませんでした。
しかも通達に基づいてつくられた社団法人日本道路協会の「道路トンネル維持管理便覧」では、日常点検も定期点検も基本的には「目視」となっています。

「老朽化」全国で
日本共産党の市田忠義書記局長は3日の記者会見でこう指摘しました。
「検査結果を公的機関に報告する義務もない。アメリカでは検査が法的に義務付けられている。こういう点での国の責任も問われる」
中日本高速は民間会社。ある高速道路会社幹部は「利益優先の中で保守・点検がなおざりになっている」と明かします。
「保守・点検は利益を生み出さない分野だ。打音検査などていねいにやればやるほど多額の費用がかかる。そのため会社は保守・点検コストをできるだけ減らそうとしている」
利益優先の中、安全が二の次になる可能性があるのです。
今回の事故の原因の一つといわれている老朽化の問題は、全国的にも大きな間題です。
高速道路会社3社による老朽化問題の検討委員会によると、3社が管理する道路(総延長約8700キロ)のうち実に4割に当たる区間が開通から30年以上です。
前出の記者会見で市田氏は「歴代政府は新しい高速道路の建設には熱心だが、老朽化した道路、トンネル、橋りょうへの対策をなおざりにしてきた」と指摘しました。
日本共産党は、公共事業政策としていま最優先しなければいけないのは、耐震化対策や老朽化対策などだと主張。穀田恵二前衆院議員は3月1日の衆院予算委員会で「新規から『維持、管理、更新』に事業の力点を移せ」と道路行政の転換を求めていました。


構造設計に問題 緊急調査が必要
土木学会元会長・早稲田大学教授(土木工学) 浜田政則さん

今回のトンネル事故は、重大な構造上の問題を提起している。
天井板の崩落の原因は、天井板を支える一部ボルトの脱落といわれている。一部分がダメになることで人命にかかわる安全性を保てなくなるというのは、土木構造設計ではあってはならないことだ。そういう意味でこれまでに例がない深刻な事故だ。
しかもボルトが取り付けられていたトンネル頂頭部は、当時の施工方法を考えると、コンクリートを流しこむだけで締め固めていない。そのためコンクリートの強度が弱くなってしまう構造上の問題がある。
ボルト脱落の原因が、コンクリートの劣化なのか、ボルトの腐食によるものなのか、施工不良も関係があるのかなど徹底して究明する必要がある。
こうした問題が30年以上も、きちんと点検保守されず、見逃されてきたことの検証も必要だ。
同時に、同じような構造をもつトンネルで緊急調査をしなければならない。調査は、目視やハンマーでたたく「打音検査」だけでなく、ボルトを引き抜き、状態を確認するところまでしなければならない。
点検体制についても事業者まかせでなく、行政が責任を持ち、人命にかかわる部分を優先的におこなわせる必要がある。
老朽化をむかえているインフラ(社会資本)はトンネルにかぎらず橋梁(きょうりょう)など多くあり、同じような問題がないのか、あらためて点検することが必要だ。


「しんぶん赤旗」日曜版 2012年12月9日付掲載



笹子トンネルと同じ様に「つり天井」のトンネルが日本各地にあるって新聞報道がありました。わが神戸市にも、新神戸トンネルや阪神高速・神戸山手線のトンネルに同じ構造があるとの事でした。
そうこうするうちに、12月8日の「朝日新聞」の夕刊に、その阪神高速・神戸山手線の神戸長田トンネルのボルトが4本脱落していたとの報道。
ドライブの際には便利なのでよく使っている道だけに、ぞっとします。できて比較的新しい道なのに大丈夫なのかなと思います。


阪神高速 神戸山手線 神戸長田トンネルでも
阪神高速 神戸山手線 神戸長田トンネルでも posted by (C)きんちゃん

この機会に、しっかり点検・整備してほしいですね。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 党の中に党が存在 !? 日本... | トップ | 消費税増税と自民党型政治⑨ ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

総選挙(2012年)」カテゴリの最新記事