きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

知って得する ハローワーク② 職員にどんどん聞いてみよう

2009-03-23 22:06:24 | 知って得する シリーズ
職員にどんどん聞いてみよう

 昔の職業安定所をご存じの方は、「あんな嫌なところはなかった」とお感じかもしれません。少し当時のことを紹介します。
 雇用保険の正式名称がまだ失業保険だった1960年代、「給付の適正化」の名のもとに、失業保険給付の抑制が大規模に行われました。
 そのころは、求人情報は今のように公開されておらず、仕事を探しに行くと、安定所職員から「この求人に応募してはどうか」と示される方式でした。
 そこで応募を断ったり、紹介を受けたのに面接に行かなかったり、採用後に断ったりすると、「働く意思が不十分」という理由で、失業保険の給付を打ち切られたのです。もちろん、お金のみを目的として、働く気持ちがなければ法律上給付は受けられませんが、あまりに厳しすぎる対応でした。
 当時は、とりわけ女性に対してきわめて厳しい判断を行い、「カラスが鳴かない日はあっても安定所で女性求職者が泣かない日はない」といわれるほど、安定所のイメージはたいへん悪いものとなりました。その後1975年に雇用保険法が成立し、こうした対応は全面的に見直されました。


昔とは変わった

 現在のハローワークでは、職業相談でも雇用保険の窓口でも、職員を「怖い」と感じるようなことはありません。言葉遣いもていねいで、できるだけ親身な相談が心がけられています。
 建物や内装も、最近建ったものはずいぶん明るく開放的につくられています。
職業相談も、以前は隣の相談内容が聞こえて、顔も丸見えになっていましたが、今では多くのハローワークで隣席との間に仕切りがあって、プライバシーにも配慮されています。
 前回も少し触れましたが、求人情報も専用の検索用パソコンが多くのハローワークに設置されています。簡単なタッチパネルで操作でき、使い方がわからなければ、職員に聞けば教えてくれます。さらに職員が操作するシステムでは全国の求人情報にオンラインでアクセスできます。引っ越しを予定していて、引っ越し前に新しい土地での仕事の相談も可能になっています。
 ハローワークの大きな特徴のひとつは、労働基準監督署や雇用均等室などとの連携にあります。
 以前から、ハローワークと労働基準監督署は同じ労働省の出先機関でした。しかし県単位でみると、労働基準監督署は国の労働基準局の下部機関であったのに対し、ハローワークは国の機関でありながら県知事の指揮監督下にありました。
 それが、2001年の厚生労働省発足後、ハローワークは、労働基準監督署とともに厚労省が管轄する労働局(都道府県ごとに設置)の下部機関となりました。これにより従来に増して強い連携がはかられるようになりました。
 ハローワークで職業紹介を受け、実際に行ってみると労働条件が違っていたような場合だけでなく、雇用保険の手続きのときに、前の勤務先の残業代不払いなども相談してみるといいでしょう。




次回は職業相談の利用方法を紹介します。
雇用問題研究者 谷川清
【しんぶん赤旗日曜版 2009年3月22日号より転載】

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