黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『雨降ノ山 居眠り磐音 江戸双紙』佐伯泰英(双葉社)

2010-03-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
季節は夏。両替商今津屋が客の接待の為、涼み船を仕立て、その警護を任された坂崎磐音。
昨今、あやかし船と呼ばれる輩が現れ、船客たちに嫌がらせをしていることから、追い払って欲しいというのだった。
そんな中、長屋への帰路で女の悲鳴を聞いた磐音。そこにいたのは同じ長屋に住むお兼で、男ともめていた。お兼は相手が誰か知らないというのだが、実はそれは彼女の元亭主。
彼女は磐音に助けられたことを吹聴し、食事の準備まで始めたことから、長屋のおかみさん連中から批難囂々。おかげで長屋にも帰れなくしまい……“第一章 隅田川花火船”、
今津屋を介して、豊後関前藩の海産物を、乾物問屋の若狭屋で商うことが決まり、ひと安心。
そんな中、今津屋の主人・吉右衛門の内儀お艶が倒れた。
一方、幸吉がはつね婆さんが首をくくった話をする。婆さんは安五郎という男に騙され、有り金を持っていかれたのだという。幸吉は鰻獲りの仲間を集め、安五郎を追うが……“第二章 夏宵蛤町河岸”
越後高田藩士・釜崎弥之助は、剣術大会で国家老の次男を叩きのめしてしまったことからやむなく脱藩。
今津屋では、病のお艶のたっての希望で大山詣でをすることになった。吉右衛門、おこんの他、磐音も同行することに。
旅先でそんな彼らを狙う輩が、弥之助に仲間にならないかと誘いをかける……“第三章 蛍火相州暮色”、
しばらく調子が良さそうだったお艶が再び倒れた。彼女の郷里も近いことから、懇意にしている医師・今村梧陽に見てもらうが、彼女の胃の腑にはしこりがあり、すでに余命いくばくもないらしい。
彼女自身も自分の病に気づいており、そのために今回の旅を言い出したのだった。
そんな彼女の望みを叶える為、磐音はお艶を背負って山に登ることに……“第四章 鈴音大山不動”、
お艶とともに残った吉右衛門を置いて、先に江戸に帰ることになった磐音とおこん。
主なき店は何かと気が緩みがちになるという懸念から、磐音に後見として店に顔を出して欲しいと頼む吉右衛門。
そんな中、南町奉行所の笹塚孫一が今津屋にやってきて、由蔵に慶長笹書大判の鑑定を依頼したが、それは偽物。
旗本の弓場雪岳が、帝から賜ったというその大判を借金の形に入れ、大金を用立ててもらった後、偽物にすり替え、さらに徳川家からの拝領の刀で脅し、詫料をせしめるというあくどい手口で、詐欺を行なっているというのだった……“第五章 送火三斉小路”を収録。

シリーズ第6作。
今津屋の供で大山詣でに出かける旅先の話が主。
お艶さんが~;;
弥之助は今後も話に絡んできそうで、ちょっと気になります。

<10/3/29>