黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『モノクロームの13手』柄刀一(祥伝社)

2010-03-13 | 読了本(小説、エッセイ等)
日本人の青年・加門耕次郎は、気がつくと見たこともない異様な世界にいた。灰色に濁った雲、満月が四つ、数十に及ぶ死体の山。荒れ果てた大地……そして、そこに描かれたマス目。
たくさんの人々が倒れている中、目覚めているのは四人…彼と、日本人の20代女性・小坂章子、イタリア人男性・ピエーロ・バドエル、中国人男性・馮…だけだった。それぞれに自分の言語で話しているのに、なぜか皆に言葉はちゃんと通じている。
生者の上空には白い丸が、死者の上空には黒い丸が浮かんでいた。やがて彼らは、自分たちがオセロゲームのルールに則って、生死が決定されることらしいことに気づく。
そのゲームの中に、恋人の村西茜の姿を見た加門は、何とか生き返らせたいと願いつつも、オセロの名手である医師ラインハルト・ヘッセルの元、オセロの黒側である神の手に対抗し、なるべく多くの人間が生き残るべく協力することに……

なぜかオセロで生死を分けられる世界にきてしまった人々のお話。SF。
一応それぞれのキャラクタにドラマがあって、その命の取捨選択に葛藤が…というあたりが見所なのかもしれないのですが、話があちこちにいっている分、掘り下げ方が今ひとつな感じで、本当にオセロだけになってしまっている気が。もうひとひねり何か欲しいかも~;

<10/3/13>