やなせたかしが亡くなった。『アンパンマン』の自己犠牲称揚に背筋が寒くなっているぼくとしては、やはり『やさしいライオン』を挙げておきたい。しかし、実は原作の絵本は読んだことがなく、覚えているのはもっぱら手塚プロダクション製作のアニメーションの方だ。自治体が主催した野外映画会(いまはもうないよね、なかなか)で観たのだが、公開はぼくの生年と同じ1970年なので、恐らく映画鑑賞の記憶としてはもっとも古いものだろう(1972~73年頃か?)。母親のムクムクを助けに動物園から抜け出すブルブル、彼が走るバックに流れた、「走れブルブル 金色の風のように 走れブルブル 光る矢のように」という歌は、いまでもふと想い出すことがある。不死身のアンパンマンより、孤独に震えているブルブルのほうが好きだ。合掌。
Popular Entries
最新の画像[もっと見る]