く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ハリガネムシ> 出てきた! ハラビロカマキリのお尻から3匹‼

2016年09月28日 | アンビリバボー

【長さ30cmほど、水中でクネクネ身をよじらせて】

 随分前、自宅のそばで捕まえたハラビロカマキリを、玄関脇にあった洗面器にポイと投げ入れたことがあった。しばらくしてのぞくと――。少し水がたまった洗面器の中で、黒く細いものが5本ほどクネクネと蠢いていた。カマキリの姿はなかった。何だ、これは? 初めて見る奇怪な生き物にぞっとして、洗面器の水ごと溝に流した。この不気味な生物の正体を知ったのはそれから数日後だった。名前は「ハリガネムシ(針金虫)」。カマキリなどに寄生し、宿主が水に触れると水中に脱出するという。それで奇妙な初体験の顛末にも納得した。

 そして昨日27日、自宅近くの歩道で同じハラビロカマキリを見つけた。体長は6~7cm。腹がパンパンに膨らんでいる。以前の体験が頭をかすめ、手に取って自宅に戻り、洗面器に1cmほど水を張ってカマキリを入れた。その途端、お尻の先端から2本の黒い線がスルスルと出てきた。予想は的中、ハリガネムシだ。長さは30cm近い。その後、やや短いのが続いた。合わせて3本。水中を泳ぐようにクネクネしたり、互いに絡み合ったり。見た目は名前の通り、まさに硬い針金のよう。

 

 ハリガネムシは類線形虫類に属する水中生物。水の中で交尾し産卵し、孵化した幼生はカゲロウやユスリカ、トンボの幼虫ヤゴなど水生昆虫に食べられると、その体内で「シスト」(嚢胞=のうほう)と呼ばれる殻に包まれた状態で休眠状態に入る。その後、羽化し水中から空中に飛んでいく宿主を、今度はカマキリやコウロギなどが食べる。すると、ハリガネムシの幼虫はその体内に移行し成虫になるまでを過ごす。

 最初に寄生する水性昆虫を〝中間宿主〟、次に寄生するカマキリなどを〝終宿主(しゅうしゅくしゅ)〟と呼ぶ。ハリガネムシは寄生先で順調に成長すると、終宿主が水に触れる機会を捉えて水中に飛び出す。注目されるのはその脱出のメカニズムだ。昆虫や生態学者のこれまでの研究によると、ハリガネムシは巣立つ準備ができると、終宿主を〝洗脳〟し水のある場所に誘導するらしい。そして水辺が近づいたら飛び込ませるそうだ。宿主の脳内に出現させるある種のたんぱく質の働きによると推測されている。見かけは奇怪だが、宿主を〝洗脳〟するとは、すごい能力の持ち主! 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« <BOOK> 「江戸の悪 ... | トップ | <帝塚山大付属博物館> 「... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿