く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<フロックス> 草夾竹桃、桔梗撫子とも

2021年06月14日 | 花の四季

【北米原産、シバザクラも同じ仲間】

 フロックスはハナシノブ科クサキョウチクトウ属(フロックス属)の植物の総称。北米原産で、1年性から多年性まで70種ほどが分布している。草丈も地を這う矮性種から1m前後まで伸びる高性種までさまざま。高性種で多年草のパニクラータ種を中心に多くの園芸品種が作出されており、花の色も白、紅紫、赤、ピンクなど多彩になっている。サクラに似た形の小花が地面を覆うシバザクラ(スプラータ種)もフロックスの仲間。

 属名フロックス(Phlox)の語源は「炎」を意味するギリシャ語で、鮮やかな明るい花の色からの命名とみられる。日本への渡来は江戸中期といわれる。草丈の高いパニクラータ種は花がキョウチクトウに似ていることから「クサキョウチクトウ(草夾竹桃)」という和名を持つ。かつては長く「オイランソウ(花魁草)」とも呼ばれていた。その名の由来には諸説。花姿を頭に簪(かんざし)をたくさん着けた花魁にたとえたとか、花の香りが花魁の白粉(おしろい)に似ることからなどといわれる。

 代表的な1年草のドラモンディ種は花や葉の形がナデシコに似ているとして「キキョウナデシコ(桔梗撫子)」とも呼ばれる。花びらは丸弁のほか〝スターフロックス〟という星咲きのものも。這性のストロニフェラ種には「ツルハナシノブ」という和名が付けられている。フロックスは世界中で栽培が盛んだが、国内でもかなり前から品種改良が進められてきた。とりわけ「岩手緑化研究会」の会長を務めた毛藤勤治博士(1908~99)はユリノキの研究・普及とともにクサキョウチクトウの育種に努め約300種の作出に成功、1995年には緑化推進運動功労者として内閣総理大臣表彰を受賞した。北海道網走市の「あばしりフロックス公園」には約15万株のクサキョウチクトウが植栽されており、毎年7月下旬~9月上旬に見頃を迎える。「揚羽蝶おいらん草にぶら下る」(高野素十)


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