【凶事・災厄を〝嘘〟として福・幸運に転じる!】
奈良市の菅原天満宮で25日「鷽(うそ)替え神事」が行われ、多くの参拝者でにぎわった。大宰府(福岡県)に流された菅原道真が蜂の大群に襲われた時、鳥の鷽が救ってくれたという故事にちなむ。太宰府天満宮では1100年も続く伝統の行事という。関西でも1月の初天神(25日)を中心に大阪天満宮、道明寺天満宮(藤井寺市)などで行われているが、この菅原天満宮では「菅公誕生祭」に合わせ毎年6月25日に行う。
鷽替え神事は午後1時から宮司の祝詞奏上に続いて始まった。太鼓の音に合わせ、参拝者が「替えましょ」「替えましょ」と言い合いながら、箱入りの鷽のお守りを交換していく。お守り(上の写真㊨)は高さ10cmほどの一刀彫り(1体1000円)。数多く交換するほど、幸運を招くといわれる。しばらくして太鼓が鳴りやむと抽選会。抽選番号と箱の番号が一致したら、折り畳み傘や毛筆、奈良の特産・赤膚焼の花瓶などが当たる。
鷽の交換と抽選会は7~8回も繰り返され、番号が読み上げられるたびにドッと歓声が湧いた。最後に抽選の特賞は高さ30cmほどの大きな鷽の木彫り。それが当たった女性は涙が止まらなかった。4年前に続いて2回目の大当たりという。涙の訳は――。4年前の時は高校生の孫娘が大きな交通事故に遭った直後。女性は早速、お守りを持って病室に駆けつけた。その孫娘も振袖を着て無事成人式を迎えることができた。それもこの鷽のお守りのお陰、ということだった。
鷽替えに先駆け、午前11時からは雅楽が奏される中、約50人が参列して誕生祭が厳かに行われた(上の写真㊧)。菅原道真生誕の地として道真をおまつりする神社は吉祥院天満宮や菅原院天満宮など京都に数カ所あるが、この菅原天満宮が立地する菅原の里も生誕の地といわれてきた。道真の母が京都から帰参して、ここで出産したという。天満宮の東北100mの所には産湯の池と伝えられる遺跡もある(写真㊨)。
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