【ジャニカ・サウスウィック、晴山陽一共著、青春出版社発行】
ジャニカ・サウスウィックさんは米国のユタ州出身。上智大学を卒業後、15年以上にわたってNHKの「基礎英語」「えいごリアン」などに出演する傍ら、タレント事務所、キッズ英会話教室なども経営。著書に『ジャニカの5秒で返信!英会話』などがある。共著者の晴山陽一氏は早稲田大学卒業後、出版社に入り英語教材の開発を手掛け、1997年に執筆活動のため独立。著書に『たった100単語の英会話』『英単語速習術』など。
ジャニカさんは本書執筆の狙いを「はじめに」の中で「日本のよさを知らない外国人たちから、いわれのない誤解を受けないための『必要最小限のアドバイス』をしたいと思い」と記す。ジャニカさんが英語で書いたそれらのアドバイスを晴山氏が訳し編集した。誤解を招きやすい日本人の「ヤバイしぐさ」全73項目を、危険度別に「絶対ダメ!」レベルから「私なら許すけど!」レベルまで5段階に分けて紹介する。
危険度レベル5の「絶対ダメ!」は全部で15項目。その一部を列挙すると――「中指使い」は見るのもイヤな危険なしぐさ▽鼻をすする日本人に、心の中で「オェ~」▽弱々しい握手は印象最悪…ホントに気持ち悪いんです▽ゲップをするくらいなら、オナラのほうがまし!▽日本人の「OKサイン」にドキッ!▽外国人の子どもの頭は、なでてはいけません!▽約束の時間より前にやってくるのは迷惑です!――など。危険度レベル4の「やめてください!」には▽なぜ、笑うとき口を手でふさぐの?▽写真を撮るときに、ピースサインって…▽声をかけずに、人の前をスッと横切る▽「すみません」「すみません」と言いすぎ!▽愚妻や愚息など、家族のことを悪く言う▽下ネタ連発もNG! まだまだ見かけるセクハラ行為――など。
レベル3の「以外かもしれないけれど!」、レベル2の「気をつけて!」には▽プレゼントをもらっても、その場で開けないのはナゼ?▽ブランドものを見せびらかしすぎます▽パーティーなどに夫婦同伴で来ない▽「つまらないものですが」は日本人同士に限って▽音を消すためにトイレの水を2回流す▽なぜ日本人は、人前であんなに酔っ払うの?▽目が合ったのに、挨拶せずにスルーって…▽混んだ電車の中で人に触れてもダンマリ――などが並ぶ。「私なら許すけど!」のレベル1は、▽乾杯するとき、グラスをカチンッと合わせる▽会席のとき、座る位置に異常にこだわる▽食べるとき皿や器を持ち上げる――など。
本書を通じて何気ない日本人の仕草や行動の中に、欧米人の目には奇異や不快に映るものが実に多いことに改めて気づかされた。日本人の美徳の一つとされてきた謙遜する態度も欧米人には分かりにくく、逆に自信のなさや弱々しさを感じさせているようだ。日本と欧米の文化や風習、生活習慣などの違いもあるけど、率直な指摘にはやはり謙虚に耳を傾けるべきだろう。
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