く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<若戸大橋> 国の重要文化財指定から丸2年

2024年02月09日 | メモ

【吉永小百合主演『玄海つれづれ節』などの舞台にも】

 福岡県北九州市の洞海湾を跨いで若松・戸畑間を結ぶ「若戸大橋」。2022年2月9日に国の重要文化財に指定されてからちょうど丸2年を迎えた。開通は62年前の1962年。“東洋一の吊橋”ともてはやされた橋は後の関門橋や本州四国連絡橋など長大橋時代を切り開く魁(さきがけ)となった。若戸大橋はこの間、映画の舞台や背景としても度々取り上げられてきた。

 最も印象に残るのが吉永小百合主演の『玄海つれづれ節』(出目昌伸監督)。1986年の公開作品で、たまたま入手したビデオで繰り返し視聴した。吉永小百合は多額の借金を残し蒸発した夫を探す妻役。それまでの清純派のイメージとは打って変わって、気が荒い男勝りの役柄を好演した。やくざ顔負けの啖呵を切ったり、借金返済のためソープ嬢になったり。当時流行のテクノカットという髪形がよく似合っていた。

 助演に凄腕の借金取り立て屋を演じた演歌歌手の八代亜紀と幼馴染み役の風間杜夫の2人(その八代亜紀が昨年末にまさか急逝していたとは……)。他に樹木希林、三船敏郎、草笛光子ら錚々たる役者も出演していた。ロケ地は若戸大橋を間近に望む若松の旅館と映画館。吉永小百合が若戸大橋の歩道をトランク片手に颯爽と歩くシーンもあった。その歩道も映画公開の翌年には車道4車線化のため廃止に。興行的にはいまひとつだったようだが、従来の吉永小百合の殻を破る貴重な作品だったことは間違いない。

 『でっかいでっかい野郎』(野村芳太郎監督)には渥美清が大酒飲みの暴れん坊役として主演した。1969年公開で、DVDで2回視聴した。三船敏郎主演の『無法松の一生』をオマージュしたようなコメディー映画で、保護司で医院の院長を長門裕之、その夫人を岩下志麻が演じ、2代目無法松を気取る渥美が院長夫人に想いを寄せる。人力車で若戸大橋を疾走する場面もあった。私娼役の香山美子も溌剌とした演技で魅力的だった。メモ帳によると、渥美清主演作では前年68年公開の『白昼堂々』(野村芳太郎監督)にも若戸大橋の場面があったようだけど、記憶が薄れてしまって┄┄。

 『ウィニング・パス』(中田新一監督)は2004年の公開作品。若松の自宅から戸畑に通う高校生小林健太役を映画初主演の松山ケンイチが演じた。4000人を超えるオーディションで選ばれたという。バイクで若戸大橋を渡るシーンも映し出される。健太はバイク事故で半身不随となり車椅子生活を余儀なくされることに。自暴自棄になっていた健太を救ったのは車椅子バスケットとの出合いだった。父親役を矢崎滋、妹を堀北真希、恋人を佐藤めぐみが演じた。

 森繁久彌主演の『社長漫遊記』(杉江敏男監督)は東宝の社長シリーズ16作目。渡米しアメリカかぶれになった社長役の森繁が小林桂樹や加東大介、三木のり平らとドタバタ喜劇を演じる。公開は1963年1月で、若戸大橋はその前年の9月に開通したばかり。その開通式や開通を記念した博覧会「若戸博」の実際の映像も流れた。

 『神様のくれた赤ん坊』(前田陽一監督)は1979年公開で、主演は桃井かおりと渡瀬恒彦。まだ若戸大橋に歩道があった頃の作品で、2人が歩道を歩くシーンも。他にDVDで視聴した『サッド ヴァケイション』(青山真治監督、2007年)や『旅猫リポート』(三木康一郎監督、2018年)にも若戸大橋が出ていた。燃えるような鮮烈な色合いで様々な画面に登場してきた若戸大橋。次はどんな映画に彩りを添えてくれるのだろうか?


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