【中国原産、桜の旧字「櫻」は元々ユスラウメのこと?】
ユスラウメがソメイヨシノの満開シーズンに合わせるかのように、一斉に開花した。バラ科サクラ属。中国原産といわれるが、朝鮮半島にも自生しているという。高さ約2~3mの幹から横に伸びた枝に、5弁の白い小花がびっしり張り付く。よく似た仲間にニワウメがあるが、ユスラウメは花の直径が1.5cmほどで少し小さめ。
6月ごろ、サクランボより一回り小さい艶のある赤い実を鈴なりに付ける。甘酸っぱい味で、主に生食にするが、ジャムや果実酒にも使われる。その実は小鳥の大好物だが、以前は子どもたちにもおやつ代わりとして人気で、子どものために庭に植えられることも多かったそうだ。実が白い「ギンユスラ」という品種もある。
桜の旧字「櫻」という漢字は元々ユスラウメを指す文字だったといわれる。それにしても「ユスラ」という名前、どこから来たのだろうか。一説には朝鮮語の「移徒楽」の読み「イサラ」が転訛したのではないかという。枝をゆすると実がパラパラと落ちるためとか、微風でも枝が揺れるためではないかといった説もあるが、語源ははっきりしない。「万両にゆすらの花の白き散る」(正岡子規)。
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