く~にゃん雑記帳

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<ふるさとミュージアム山城> 企画展「山城の中世城館を掘る」

2015年05月25日 | 考古・歴史

 京都府木津川市の「ふるさとミュージアム山城」(京都府立山城郷土資料館)で企画展「山城の中世城館を掘る」が開かれている。京都府教育委員会が2009年度から14年度まで6年がかりで旧山城国地域を対象に実施した中世城館跡発掘調査の成果を一堂に紹介するもの。6月28日まで。

 堀や土塁などの防御施設を備えた中世城館が現れるのは平安時代後期になってから。院政を敷く上皇や法皇の院御所に警固する北面の武士が置かれるなど、武士が台頭してくる時期と重なる。旧山城国の城館は①平地の城館が多く、山城が少ない②城郭化する寺院が多い③歴史上有名な人物が築いた城館や時代を大きく変える戦いの舞台となった城館が多い――といった特徴を持つ。(写真は㊧今里城跡出土の「毬杖(ぎっちょう)」の球、㊨本能寺城跡出土の「能」異体字銘の軒丸瓦)

 

 企画展では巨大な堀に囲まれた城館出現期の佐山遺跡(久御山町)や下海印寺遺跡(長岡京市)から、豊臣秀吉が築いた聚楽第跡、伏見城跡(いずれも京都市)まで26の遺跡からの出土品を展示する。展示総数は刀や瓦、陶磁器、木製品、石仏、銭貨など366点に上る。

 平地城館の今里城跡(長岡京市)からは毬杖(ぎっちょう)の木製ボールが出土した。毬杖は今のホッケーのような遊びで正月行事の1つだったという。小田垣内遺跡(京田辺市)は数少ない山城の1つで、土塁の中から石仏が出土した。室町時代の共同墓地を削ったり埋めたりしていることから、外部から侵入した勢力が急ごしらえで山城を築いたとみられる。

 

 山科本願寺跡(京都市)の中心部からは風呂や厨房などの遺構が見つかり、宗主一族が使用したとみられる陶磁器なども出土した。本能寺城跡(同)の南北堀からは本能寺の変で焼けた建物の瓦が大量に見つかった。本能寺の「能」の異体字銘の軒丸瓦も出土した。

 山崎の戦いで明智光秀が本陣を構えた御坊塚とみられる恵解山(いげのやま)古墳(長岡京市)では、周濠などから合戦で飛び交ったとみられる火縄銃の弾丸が出土した(上の写真㊧)。聚楽第跡(京都市)からは大量の金箔瓦が見つかっているが、その中には勝龍寺城(長岡京市)や山崎城(大山崎町)などの瓦に金箔を貼って再利用したものもあった(同㊨)。


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