く~にゃん雑記帳

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<セントポーリア> 東アフリカ原産、和名「アフリカスミレ」

2018年07月11日 | 花の四季

【〝室内花の女王〟とも、1970~80年代に一大ブーム】

 イワタバコ科の非耐寒性多年草。原産地はアフリカ東部のタンザニア~ケニアの山岳地帯で、日本には明治末期に渡来した。和名は英名の「African violet(アフリカン・バイオレット)」を直訳した「アフリカスミレ」。セントポーリアの名前は1890年代初めにタンザニアで原種の一つを発見したドイツ人、ヴァルター・フォン・セントポール男爵に因む。

 その原種がドイツのヘレンハウゼン王宮庭園に送られて栽培され、園長によって「セントポーリア・イオナンタ」と命名された。イオナンタはギリシャ語で「スミレの花のような」を意味する。原産地では他に二十数種の原種が確認されており、ドイツや米国を中心にこれらの原種をもとに無数ともいえる園芸品種が作出されてきた。米国では1946年に園芸家による「全米アフリカン・バイオレット協会」が発足している。

 日本でも1970年代の後半から80年代にかけて一大ブームが巻き起こった。、その功労者として有名なのが川上敏子さん(1915~2010)。外交官夫人として滞在中のカナダでセントポーリアに出合い、モスクワ滞在を経て帰国後『セントポーリア図鑑』をはじめ多くの著書で花の種類や特徴、室内栽培法などの紹介に努めた。同時に「セントポーリア研究所」を設立し、「日本国際セントポーリア協会」の旗揚げにも奔走した。

 欧米や日本で栽培ブームが起きた背景には①栽培環境(室温18~25度など)が整えば室内で年中花を楽しめる②品種が多く花や葉の色・形・大きさが変化に富む③好みの花を〝葉挿し〟で殖やすことが比較的簡単にできる――などがある。一時のブームは去ったものの、なお栽培に熱心な愛好者はまだまだ多いようだ。この写真のセントポーリアも親戚の女性が〝葉挿し〟で育てたと数鉢見せてもらったもの。NHKのEテレ「趣味の園芸」でも今年4月、「帰ってきたセントポーリア」と題し再び人気になっている様子を紹介していた。花ことば「小さな愛」。

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