く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<柳井市古市・金屋> 約200mにわたって白壁の商家の家並み

2017年08月14日 | 旅・想い出写真館

 JR柳井駅(山口県柳井市)前の麗都路(レトロ)通りを北に進み柳井川を越えると、東西に白壁の町並みが広がる。国選定重要伝統的建造物群保存地区の「古市・金屋地区」だ。港町柳井は江戸時代、商業地として栄え岩国藩の御納戸(おなんど)と呼ばれた。この白壁通りを、産物を満載した大八車が行きかいにぎわったという。通りを散策していると、往時の繁栄ぶりが目に浮かぶようだった。

 白壁通りには「甘露醤油」を扱う店があり、製造過程を見学できる資料館(写真㊧)まであった。柳井名物という甘露醤油とは? 案内板によると、1780年代に当地の醸造家が造った芳香・美味な醤油を時の藩主に献上したところ「甘露、甘露」と賞賛されたのがその名の由来とか。1本買い求めようとある店に入ると、店内に「金魚ちょうちん」が泳いでいた。聞けば、8月13日の「第26回金魚ちょうちん祭り」を前に通りに飾っていたが、台風5号の接近で急遽〝避難〟させるよう連絡があったという。祭りでは約2000個の金魚ちょうちんが灯され、巨大な金魚ねぶたの総回しや金魚ちょうちん踊りなどもあるとのこと。昨日はさぞにぎわったことだろう。

 

 通りを歩いていてもう一つ目に飛び込んできたのが「かにが路上を横切ります 人も車もご注意を」という立て看板。2カ所に立っていた。えっ、本当に? 足元を注意していると、車に引かれたのか、ぺちゃんこになって成仏したカニがいた。そして、その先の狭い水路を覗き込んでいると……。いた! 石の隙間から顔を出したのはなんと、立派な赤い手を持つ「アカテガニ」だった。

 

【防府天満宮、春風楼、周防国分寺……】

 白壁の町柳井を訪れる前に、防府天満宮や周防国分寺を訪ねた。菅原道真を祀った神社は全国に約1万2000社あるそうだが、日本で最初に創建された天神さまがこの防府天満宮という。日本三大天神の一つ。「裸坊祭」として有名な御神幸祭(11月第4土曜日)は1004年、防府に遣わされた勅使が道真の御霊に一条天皇からの「無実の知らせ」を奏上したのに由来する。境内の一角にある「春風楼」(写真㊨)は1873年(明治6年)に完成した二層の楼閣洋式の建物。元々は1822年に五重塔として建設が始まったが藩の財政難により中断、後に五重塔の一層部分の組み物を床下に組み入れる形で建設した。石段を上ると、眼下に防府の市街地を一望できた。

 

 天満宮の参道脇にある防府市観光協会に「世界お笑い協会」という大きな看板が掲げられていた。なんともユニークな名前。立ち止まって見ていると、職員が資料を持って来てくれた。市内の小俣地区には鎌倉時代から天下の奇祭と有名な「笑い講」が伝わる。この笑いの文化を広げようと5年前に協会を設立したという。以来、地元の高校などと連携し「お笑い講世界選手権大会」、健康のための「お笑い体操」などに取り組んでいるそうだ。周防国分寺は創建時の寺域をほぼ維持しており国の史跡になっている。金堂(写真㊨)は萩藩7代藩主毛利重就(しげたか)によって再建された。国分寺の中で大規模な金堂が残っているのも珍しい。

 

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