CLASS3103 三十三組

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【読書】密造酒の歴史

2018-04-14 21:12:31 | 読書感想文とか読み物レビウー
密造酒の歴史  著:ケビン・R・コザー

密造酒について、まさに太古から現代に至るまでを書いた
なかなかに楽しい本でした
そもそも密造酒という定義が難しいと
この本を読んで思わされたのでありますけども
その昔より、人間は酒に親しんできたのに、
どこかのタイミングで、それぞれの国で、
なんかの拍子に規制されて、違法化してしまうという
この悲しいお話が、なぜなのか、どうしてなのか
人間の営みと、お酒の切っても切れないような関係が
つまびらかになって楽しい一冊であります

密造酒とすると、一気にきなくさい感じになって
当然、アルカポネの話なんかも出てきたのでありますが、
地域によっては、酒を作るということは当たり前であって、
それを楽しむことが、国境を越えていったりすると
とたんにややこしくなっていったり、
ともかく、これによって生産性が著しく悪化するので、
反対、規制を推進するという人たちがでてきて
それらと対立する組織がまた出てきてとか
だんだんと、政治色を帯びてきたり
実に不思議な紆余曲折の中心にいたりとなるお話でありました

おおむね、西洋、特にアメリカの話が多かったので、
どうしてもそちらに偏り勝ちではあるものの、
一般人の味方、そういう旗印に
この密造酒というトレンドが、いつだって出てきてもてはやされると、
政治とメディアが対立をあおる
その象徴になりがちという指摘はなかなか面白いところで、
人間をやっていると、どこかのタイミングで
なぜか、このアルコールに取り付かれたりして
これの取り扱いで、なぜだか
誰かと喧嘩するはめになったり、不思議なことが
繰り返されてきたのだなと思わされたのでありました

自分が、さほどというか、ほとんど酒を飲みたいと思わない人間なので
この狂騒が不思議に思えてならないのだけども、
また、私のようなのがいるからこそ
規制する趣が出たり、それによって困る人たちがいたりと
ある種の多様性なのかしらと感じたりしたのでありました

密造酒という単語が怪しげではあるものの、
ごく最近でも、方々で作られていて、やがては
合法密造酒なる分野、読んでいて正直よくわからなかったんだが
地ビールとか、どぶろくとかいうジャンルなんだろうかしら、
ともかく世界的にそういうのがもてはやされているのも事実なんだそうで
アルコールを楽しみたいという欲求は強いものだなと
感心したのでありました

とはいえ、密造酒つくりが貧困と強く結びついているというのも
鋭い指摘というか、そこに営みがあるのだなとも
思わされたりして、また、質の悪い酒によって奪われる命や、
様々な何かがあったりと、やはり規制すべきではないかと
思わされたりもしたり、非常に興味深く面白い本を読めたと
思うのであります


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